総通が11月9日に民事再生法の適用を申請し、同日より保全命令を受けたことがわかった。負債は約174億円。
帝国データバンクによると、同社は、1961年に通信教育を手がける「東洋ペン学会」として創業、1972年「総合通信教育センター」として法人改組し、1985年に「総通」となった。
主に昼の時間帯のテレビショッピングのほか、カタログ、インターネット、新聞雑誌広告などを活用して、家電製品や家具、カメラ、寝具、アクセサリーなど幅広く取り扱い、生活用品全般の「日本直販」や美術工芸品の「日本直販アートクラブ」、食品の「日本直販フーズ」などの屋号で販売を実施。高い知名度で有しながら、高枝切りバサミなどのヒット商品を生み出し、1995年9月期は年間売上高約525億円を計上していた。
しかし、その後は海外通販業者の参入やインターネット通販の普及に伴う競争激化から売り上げが漸減。2011年9月期は健康食品による売上回復を図ったが奏功せず、年売上高は約256億円にまで落ち込んだ。
そうしたなか、2012年6月に取引金融機関に元本猶予など返済スケジュールの変更を要請するとともに、監査法人による財務デューデリジェンスを行ったところ、架空在庫や利益の水増しなど過年度の粉飾決算が発覚し、80億円を超える債務超過に転落。金融機関から返済猶予期間延期の対応を受けながら、リストラによる収益回復を企図し、再建の道を模索したものの、決済資金の調達が困難となったことから法的整理による再建を図ることになった。