NTTドコモと韓国の通信事業者KT Corporation(以下、KT)は、韓国のNFC電子マネー事業者eB Card Corporation(以下、イービーカード)とともに、イービーカードが提供する電子マネーサービス「Cashbee」を、今後、NTTドコモが発売するスマートフォンを使って利用できるようにするための検討を行うことで合意し、覚書を締結したと発表した。

「Cashbee」サービスは、2010年8月にロッテグループのイービーカードが開始したNFC対応のプリペイド型電子マネーサービスで、韓国国内のロッテグループのデパートやコンビニ、地下鉄、バス、タクシーなど約2万カ所での利用が可能となっており、ユーザー数は500万人にのぼる。

電子マネーサービス「Cashbee」 資料:LOTTE

今回の合意は、NTTドコモとKTの間で2005年に設立した事業・技術協力委員会(Business & Technology Cooperation Committee)において、昨年2月より進めていた日韓間におけるスマートフォンを利用したシームレスなNFC(Near Field Communication)サービス相互利用の実現のための検討およびサービス提供に向けた端末・ネットワーク・課金プラットフォームなどの仕様策定に基づく、具体的な成果の1つとなる。

両社は、それぞれの国の顧客が両国のNFCサービスを利用できる環境を2013年度上期に構築することを目指し、その環境を活用するサービスの第一弾として、ドコモのスマートフォンで「Cashbee」が利用できるようにする。

今後は日韓両国のサービスプロバイダーによる、電子マネー、クーポン、交通など様々な分野のNFCサービスの相互展開の可能性を探り、さらに、今回構築する環境を世界の業界団体・標準化団体に提案し、標準化活動を推進していくとともに、世界中のNFCサービスの相互利用が可能になるよう活動していく。