日立製作所は10月1日、愛知県豊田市で実施されている低炭素社会システム実証プロジェクトに参画し、スマートモビリティ実現に向けた公共交通機関向け「運行最適化支援システム」の構築を開始することを発表した。
同プロジェクトは、経済産業省が豊田市をはじめとして、全国4地域で実施している次世代エネルギー・社会システム実証事業の1つ。
同社は、同プロジェクトにおいて、路線バスを中心とした公共交通機関の運営・利用の最適化をはかる「運行最適化支援システム」を豊田市のほか、トヨタ自動車、名鉄バスの協力を得て2013年度中に構築し、実運用に向けた実証実験を開始する。
「運行最適化支援システム」には、「バス事業者営業所向け運行最適化支援システム」と「運行管理支援サービス」の2種類があり、「バス事業者営業所向け運行最適化支援システム」では、バスに搭載したGPS端末から取得する位置情報や道路交通情報事業者から取得する渋滞情報、また、トヨタ自動車が構築する都市交通システムのルート検索を利用した乗車需要情報などを、運行最適化支援システムを介してバス事業者へ提供する。
「運行管理支援サービス」は、運行最適化支援システムに集められた情報から、需要予測や渋滞などの交通状況を加味したリアルタイムな運行情報をバス事業者へ提供し、特定の路線においては、機動的な運行計画の変更を検討するための支援を行う。また、利用者へは、トヨタ自動車が都市交通システムを通じてバスの位置情報や遅延情報を提供し、最適な交通手段を選択するための支援を行う。