IDC Japanは8月28日、国内サーバ市場産業分野別動向を発表した。それによると、8つの産業分野(金融、製造、流通・卸・小売、通信・メディア、ITサービス、官公庁、文教、その他)分類で、2011年の国内サーバ市場の出荷額構成比は、製造が19.8%、金融が18.7%、通信・メディアが15.4%を占め、前年と比較すると、製造業が1.4ポイント、通信・メディアが2.5ポイント上昇した一方、金融は、3.1ポイント減少したという。なお、2011年に出荷された「京」コンピュータは、例外として除いている。

2011年、国内サーバ市場 産業分野別出荷額構成比(京を除く) 資料:IDC Japan

分野別の詳細は、製造の国内サーバ市場における出荷額構成比が、2009年に世界的金融危機の影響で16.6%に大幅ダウン。しかし、2010年以降は、徐々に回復に向かい、2011年は再び産業分野トップの構成比に戻している。

金融は、2009年から2010年にメインフレームの出荷が好調で、製造を抜いてトップの出荷額構成比を獲得。しかし、2011年は、1.1ポイント差で、製造にトップを譲っている。

2011年の通信・メディアは、2003年以降で、同産業分野として最大の構成比を記録。また、2011年の出荷額の成長率は、前年比14.4%増であり、8分類の産業分野では、最も高い成長を示した。2011年は、通信制御やインターネットビジネス向けのサーバー導入が好調で、背景に、スマートフォン普及によるインターネットアクセスの急増があげられるという。

IDC Japan サーバー リサーチマネージャーの都築裕之氏は、「2011年の国内サーバー市場は、製造が順調な回復を見せた。また、国内x86サーバー市場では、通信・メディアとITサービスが躍進。両産業分野ともに、2009年から出荷額構成比が2ポイント増加し、トップの製造に次ぐ規模となっている。スマートフォンをはじめとするモバイルデバイスの急増に対応するため、x86サーバーの大型増強が目立つ。今後は、成長セグメントの産業分野に重点を置いたソリューションの強化を行い、競合他社との差別化を訴求することが重要である」と述べている。