ブラザー販売 代表取締役社長・片山俊介氏

ブラザー販売は、インクジェットプリンタの新ブランド「PRIVIO(プリビオ)」から、新製品全17機種を9月上旬より順次発売する。

新ブランド「プリビオ」は、これまで展開してきた家庭用の「MyMio(マイミーオ)」とビジネス用の「JUSTIO(ジャスティオ)」を統合したもの。同一ブランド内にてファミリー向けのプリンタ・複合機が揃う「ベーシックシリーズ」、ビジネス向けの大量印刷対応モデル「ワークスシリーズ」といった分類をすることで、総合的なインクジェットプリンタのブランドとなった。

インクジェットプリンタ市場は、買い換え需要によってやや持ち直すという予想(出典:IDC)

プリビオのシリーズ展開

ブラザー販売 取締役・三島勉氏は、今回の発表の目玉として、これまでの「家庭用」、「ビジネス用」といった分類とは異なる新たなラインとして「ネオシリーズ」(11月下旬発売)2機種について発表した。

ブラザー販売 取締役・三島勉氏

「ネオシリーズ」は、これまでの「家庭用」、「ビジネス用」といった枠組みの中間にあたる、高機能を搭載した新分野となる。同社独自の技術を採用し、用紙を横向きに送る給紙方式を実現。これにより小さな本体サイズであってもA3出力にも対応可能となり、本体の奥行は国内インクジェットプリンタ市場では最小(2012年7月8日現在、ブラザー調べ)の290mmだという。また、スマートフォン(Android端末、iOS端末)との連携アプリケーション「Brother iPrint&Scan」にも対応する。

同シリーズには複合機の「MFC-J4510N」と単機能タイプの「DCP-J4210N」があり、同社によれば、ビジネスパーソン向けの機種は前者だという。

ADF搭載の複合機「MFC-J4510N」(左)、単機能タイプの「DCP-J4210N」。どちらもA3横向き印刷に対応している

インクジェットプリンタで横向き印刷を行うと紙がカールしやすく、紙詰まりなどのトラブルが起こり実現が難しかったという。そこで同社は紙自体に波状の筋を入れる技術を採用し、商品化を実現した

35mmの大型プリントヘッドを採用し、インクのドットサイズのコントロールを可能にしたことで、同ブランドのベーシックシリーズの約2倍のスピードで印刷可能

「グリーンスタンバイ」モードによって、コンセントを挿したままでも抜いた状態に近い節電効果を持たせた

タッチパネルによる操作が可能となっている

「ネオシリーズ」は11月下旬より発売予定

また、同ブランドの販売目標については、年間65万台という数字が示された。この目標はブランド全体の販売数として掲げられたものだという。

なお、同ブランドのビジネス向けブランド「ワークスシリーズ」については、すでに発売されているジャスティオブランドの2機種がそのまま移管された形となっている。同ブランドでの展開は、次回の新機種発表のタイミングから行われるとのことだ。