ヴイエムウェアは3月22日、アジア太平洋地域の企業で働く会社員約2,000人を対象に実施した職場のIT環境に関する利用動向調査「VMware New Way of Work Study」の結果を発表した。

同調査は2012年1月から2月にかけて、日本/オーストラリア/中国/香港/インド/マレーシア/シンガポール/韓国/台湾/タイの多国籍企業(従業員1,000人以上)に勤務する18歳から64歳までの男女2,077人(日本は20歳から64歳までの男女210人が対象)に実施したもの。

同調査から、セキュリティに対する意識の高さを背景に、リスク管理の難しい各種モバイル端末(ノートPC、スマートフォン、タブレット)の業務活用に企業が慎重になっている日本の現状が明らかになった。

例えば、「会社支給のノートPCの社外持ち出しを禁じられている」という回答が71%、「個人端末から社内データベースにアクセスしたことがない」という回答が83%と、日本企業ではデータ漏洩やセキュリティを懸念し、外部からのアクセスやIT機器持ち出しを厳しく制限していることがわかった。

「会社支給のノートPCの社外持ち出しを禁じられている」資料:ヴイエムウェア

さらに日本では、「業務に利用できる個人のモバイル端末が厳密に定められている」(73%)という回答が多く、「個人所有の端末を仕事で使用している」(22%)という回答は調査対象となった10ヵ国・地域で最も低い結果となった。「個人所有の端末を仕事で使用している」という回答が多かったのは、上から、韓国(96%)、中国(94%)、タイ(90%)。

「業務に利用できる個人のモバイル端末が厳密に定められている」資料:ヴイエムウェア

「自宅や移動中に仕事をする」(37%)という「リモートワーク」の浸透度も、日本は最も低い水準となり、セキュリティを重視するあまり、多様で柔軟な働き方が確保されておらず、有事や緊急時の対応を想定した柔軟なワークスタイルの実現に向け、多くの課題があることがわかった。

「自宅や移動中に仕事をする」資料:VMWare