電通は3月5日、情報感度の高い「オタク層」を研究し、その知見を活用したソリューションを提供する社内横断プロジェクトチーム・電通「オタクがラブなもの研究所」(DENTSU OTAKU LOVE LABORATORY)を発足した。
同プロジェクトチームには、同社内の関連セクション「ストラテジック・プランニング局」「電通総研」「テレビ&エンタテインメント局」を中心に12名が参加し、オタクが好きなものを軸としながら、メンバー各自の専門性・ネットワークをもとに活動するという。活動の内容としては、「定期的なトレンド観測調査」「有識者ネットワークの構築・活用」「アニメなどオリジナルコンテンツの制作・開発・情報発信」「オタクの知見を活用した商品・サービスの開発」が挙げられている。
電通が2011年9月27~28日に実施した「オタクが好きなもの」調査によると、対象とした15~39歳の男女10,000名のうち、「自分をオタクと思う」「他人からオタクだと言われる」と答えた人は約4割に達したという。また同調査では、オタクコンテンツに加えてファッションやビューティー関係のトレンドにも強い関心を示す「美オタ」層の存在も明らかになっている。
美オタの特徴は、「ビューティーやファッション感度が高く、見た目は普通の女性」「普通の女性モードと自分オタクモードの2つを使い分ける」「トレンドへの関心が高く、積極的に情報収集・情報発信を行う」「男性に好かれやすく、恋人がいる確率が高い」こととなっており、プロジェクトチームは、特に美オタ層に着目して2012年の活動を行うとしている。
また、2011年9月29日~10月4日には、アニメオタク層を対象としてアニメコンテンツに焦点を当てた調査が実施された。この調査では、「アニメの中でこだわる要素」という設問に対して、「ストーリー展開」が、「今、アニメに求めること」に対しては「謎や仕掛け」という回答が最も多くなったが、美オタの回答に注目すると「こだわる要素」ではアニメオタク全体と比較して「声優」を選択する人の割合が高いという。また、「求めること」では「共感できる等身大のキャラクター」という回答が最も多く、親しみやすい二次元キャラクターのニーズを感じさせる結果になっている。