日立製作所(以下、日立)は2月28日、クラウド環境における各種システム状況の「見える化」に対応したクラウドサービスプラットフォーム「Cosminexus」の最新版「Cosminexus Version 9」を2月29日より販売を開始すると発表した。
Cosminexus Version 9は、システムの構成情報やITリソースの配置状況などを、備えたテンプレート上で管理し、「見える化」することでクラウド環境でのシステム構築や改修を効率的に行う製品を新たにラインナップしている。
また、昨今ニーズが高まっているビッグデータを高速かつ高信頼に処理する新製品、およびCosminexusの導入評価や検証のための環境構築を支援する関連サービスや、クラウド事業者向け月割従量制ライセンスもあわせて提供し、クラウドやビッグデータの利活用を多角的に支援する。
PaaS環境管理製品「uCosminexus Service Director」は今回新たにラインナップされ、クラウド(PaaS)環境でのシステム構成情報や仮想サーバへのシステムリソースの割り当て状況などを、あらかじめ用意されている用途別テンプレート上で管理し、システム構築およびアプリケーション改修作業において把握すべきシステム状況を的確に「見える化」する。また、テンプレートを基に仮想サーバの一括構築が可能なため、効率的なシステム構築・改修を実現する。
これにより、システム改修時における影響範囲が明確になり、改修のための手順や予算などの工数見積りも容易になるほか、ITリソースの配置や構成面での過不足や配置バランスの良し悪しなども把握でき、ITリソース配置の最適化が図れる。なお、本製品では、テンプレートをベースとした仮想サーバの構築作業において、従来比で最大約70%(同社試算値)の効率化を実現している。
インメモリ型データグリッド製品の「uCosminexus Elastic Application Data store」も今回新たにラインナップした。同製品では、データを複数のサーバのメモリ上で分散処理することで、高速かつ高信頼なデータ処理を行う。これにより、アクセス量の多いデータ処理でのサービスレスポンスなどの性能向上が図れるほか、データの分散・多重化によりシステムのSPOFを排除して処理の継続性を確保する。
さらに、製品だけでなく導入評価や検証のための環境構築を支援する「ミドルウェア評価環境サービス」も新たに提供を開始。同サービスではアプリケーションサーバ、データベースサーバを搭載した導入評価・検証用マシンを無償で貸し出し(30日間)、短期間での環境構築を支援し円滑な製品導入を図る。また、今回の最新版ではクラウド事業者向けの月割従量制ライセンスも提供しており、初期投資を抑えた迅速な製品導入が可能となる。
なお、今後は、同社のクラウドソリューション「Harmonious Cloud」のオンデマンドサーバサービスにおいて、ユーザー自身が必要なITリソースを選択して利用できるセルフサービスポータル環境から「Cosminexus Version 9」をはじめとした関連ミドルウェアを利用可能とする予定。
製品・サービス名 | 価格 | 概要 |
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uCosminexus Service Director | 52万5,000円~ | PaaS環境でのシステム状況管理と構築改修を行う新製品(5月31日提供開始予定) |
uCosminexus Elastic Application Data store | 115万5,000円~ | 高速データ処理を行うインメモリ型データグリッド新製品(3月15日提供開始予定) |
uCosminexus Service Platform | 441万円~ | ビジネスプロセス管理と柔軟なサービス連携機能を備えたSOA実行基盤製品(3月15日提供開始予定) |
uCosminexus Application Server | 126万円~ | 仮想環境での構築・運用を強化するアプリケーションサーバ製品(3月15日提供開始予定) |
ミドルウェア評価環境サービス | 無償(30日間) | 「Cosminexus」の導入評価や検証のための環境構築支援サービス(2月29日提供開始予定) |