KDE Software Compilation |
多くのLinuxディストリビューションで採用され多くの支持者がいるKDEだが、古いGPUをサポートから外す可能性が出てきた。KDE用のウィンドウマネージャやウィジェットエンジンを開発しているMartin Gräßlin氏が、自身のブログに「The Costs of Supporting Legacy Hardware」と題して、レガシーグラフィックチップ用のコードを将来的に削除すると発表した。
Gräßlin氏は、「レガシーグラフィックチップは最新のOpenGL 2.0に対応しておらず、時代遅れのチップに対応し続けることはKWinだけでなくシステム全体の質を低下させるかもしれない」と指摘している。事実、OpenGL 1.1ハードウェアのサポートは高いメンテンナンスコストに繋がっているという。例えば、Gräßlin氏は開発環境にAGPソケットがないため古いGPUをテストすることができないうえ、テストに必要な古いGPUも購入できなくなってきているとしている。
ただし、多くのユーザがまだ古いGPUを使用している事実があり、OpenGL 1.1に関するコードをすぐに削除すると彼らのシステム上でKDEはが動作しなくなってしまうという問題も認識している。
Gräßlin氏は、この問題の解決策としてGallium3Dプロジェクト「llvmpipe」ドライバをあげている。llvmpipeはGPUアクセラレータを用いず、LLVMを使用してソフトウェアレベルで3Dアクセラレーションを実現するドライバ。Gräßlin氏は、今後KWinでllvmpipeの有効性を評価し、問題がなければOpenGL 1.xベースのレガシーコードを削除していくとしている。