「会議は踊る」ではないが、会議というものは実に難しい。会議で気持ちよく――反対意見を含め――自分の意見を述べるにはどうしたらよいだろうか? そこで、Open Forumが「How to Disagree at Meetings in a Positive and Productive Way(ポジティブかつ生産性のある反対意見の言い方)」という記事でまとめた、経営者を対象としたエグゼクティブコーチングを展開するJoel Garfinkle氏の5つのアドバイスを紹介したい。

「ソーシャル」や「コラボレーション」がもてはやされているが、参加者が対面で意見を出すことができる会議こそ、重要なソーシャル、そしてコラボレーションの場と言えよう。「会議に参加したからには、対立する意見だったとしても自分の意見を言うべきだ。これは、話し合いに参加していることを示すためでもある」とGarfinkle氏。形式的なものに終わらせることなく、成果を上げる会議にするにはどうすればよいか、管理職も必読だ。

(1)意見を共有しよう - 会話の一部と考える

参加者が自分の知識や意見を述べる――これは会議の基本だ。しかし実際は、「他の人に反対されたらどうしよう」という恐怖感から、言いたいことを発言できなかったという経験を持つ人もいるはず。Garfinkle氏は、「会話の一部になるために発言する」と考えるよう助言する。

(2)反対意見への対応は - そのまま復唱

あなたの意見に同意しない人が出た。その時は、相手の言葉をそのまま復唱するとよい。例えば、「もし間違っていたら訂正してください。今、(相手の意見)とおっしゃいましたよね」という風に。

繰り返されることで、発言者は「自分の意見を聞いてもらった」「理解された」と感じる。その安心感が得られれば、発言者はあなたの意見を注意深く聞くようになるという。逆に言えば、人は自分の意見が理解されていないと感じると、さらに主張しようと攻撃モードになると言える。これでは、共通の目標のために協調するどころか対立になりかねない。

(3)賛成できない意見への対応は - まずは認める

逆に、あなたが誰かの意見に賛成できない時は、どうすればよいか。「まずは、その人の意見を理解したことを示そう」とGarfinkle氏。雛形のフレーズとして「~については納得できる」を紹介している。異論を認めて検証し、それを述べることができるという力は、異なる見解を理解できるようになるだけでなく、他の人があなたに対してオープンになるという効果ももたらす。

(4)反対意見に備えよ

会議前に、自分の意見について聞かれたり、反対されたりしたらどう対応するかをある程度シュミレーションしておくのも効果的だ。こうすれば、本番で感情的になることなく、論理的かつ冷静に議論ができるだろう。

(5)自分の意見は会社にとって重要である

あなたの見解や専門知識は貴重で、自社にとって価値があるもの――これを認識しよう。自分の意見を共有する(発言する)ことは、議論を新しいレベルに押し上げることになる。「議論に参加し、解決策や方法を見出すのに自分が役立っていることを意識しておくことが大切」とGarfinkle氏は述べている。