IDC Japanは12月27日、2011年第3四半期(7~9月)の国内モバイルデバイス市場動向を発表した。これによると、国内におけるスマートフォンの出荷台数は前年同期比243%増の530万台となった。

同四半期のスマートフォン市場は、iPhone 4Sの市場投入直前だったため、ユーザーの買い控えが影響してアップルの出荷台数が大きく減少した。しかし、NTTドコモ、auの積極的な販売促進によるプラス効果、Android搭載スマートフォンのラインアップの充実などもあり、市場は大幅に拡大した。

ベンダー別では、Xperiaシリーズを継続的に市場供給しているソニーエリクソンが大きく シェアを伸ばしたという。

タブレット端末は、アップルのiPad 2をはじめ、各社の新規モデルの市場投入があったこと、ソフトバンクによる販売奨励金の上積み効果もあり、総出荷台数は前年同期比133%増の42万台となった。同市場の出荷台数は拡大傾向にあるが、「iPad 2以外にヒット端末が存在しないことも影響し、市場では継続的に供給過多が続き、在庫問題の懸念を抱えている状況」と、同社では見ている。

3Gパーソナルルータ端末は、同市場の牽引役であるイー・モバイル以外に、ソフトバンク、ドコモが積極的な販売戦略を実施していること、使い勝手の良さがユーザーから評価されて顧客層が広がり始めていることなどから、出荷台数ベースでは前年同期比81.7%増の67万台と大幅なプラス成長を達成している。

同社は、今後もスマートフォン市場の成長は続くと見込んでおり、2012年には2,870万台にまで拡大し、2015年には3,403万台に達すると予測している。

国内スマートフォン出荷台数予測 2010年~2015年 資料:IDC Japan