リコージャパンと日本マイクロソフトは、東日本大震災で被災した企業の事業再開を支援するため、複合機や机、PCのほかOffice 365のライセンスなど一式を、通常の約1/6の価格で提供する「オフィス復興支援パック」を、12月21日より提供すると発表した。

オフィス業務に必要なものを丸ごとパッケージし、最新のクラウドサービスを活用できるネットワーク環境とともに提供することで、IT担当者の確保が難しい中小企業の復興を支援する。

オフィス復興支援パックは、リコー製カラー複合機(本体無償、保守や消耗品、設置費用は必要)、オフィス家具(事務机、キャビネット等、2,390円~)、ノートPC(2,940円~)、インターネット接続/保守サービス「NETBegin BB パックSelect」(4,900円~)と、クラウドサービス「Office 365」(無償)、「Office Professional Plus」(無償)をセットにして、通常の約1/6 となる約10,230円~提供する(価格は月額価格でいずれも税別)。

リコーグループではこれまで、義捐金3億円のほか、水、食料、デジタルカメラやプリンタなどの物資支援、被災した製品の修理特別対応などの支援のほか、コミュニティ巡回型情報プリントサービスや被災した写真を洗浄、デジタル化して復元させるセーブ・メモリープロジェクトなども実施している。

今回のオフィス復興支援パックでは、日本マイクロソフトが「Office 365」のライセンス料(最大10クライアント)や「Office Professional Plus」を無償で提供、リコージャパンは、福島県喜多方市に開設した「東北リユースセンター喜多方」において再生処理されたカラー複合機を本体無償(保守料金、消耗品代は別途)で提供する。また、リコージャパンは、今回の「支援パック」の提供にあわせて専用ダイヤル(0120-055-702)を開設し、ユーザーの状況や要望を聞く体制を用意している。

オフィス復興支援パック(複合機)

オフィス復興支援パック(パソコン、家具)

オフィス復興支援パック(インターネット整備とクラウド活用)

リコージャパン 専務執行役員 震災復興支援室 室長 篠崎俊二氏

リコージャパン 専務執行役員 震災復興支援室 室長 篠崎俊二氏によれば、被災した企業が事業再開にあたって困っていることは、事務所を失い事業を再開する場所がないこと、すべての備品をゼロから準備しなければならないこと、震災前からの負債と事業再開にあたっての2重債務、ITインフラを構築するスキルのある人材の不足だという。

篠崎氏は、「仮設事務所は自治体で用意されるが、中の機器については被災者自身が用意しなければならず、被災地で『何とかならないか』という声が聞かれた。それが今回の支援を行うきっかけとなった」と、パックを提供する理由を説明する。

事業再開にあたって困っていること)

日本マイクロソフト パートナービジネス営業統括本部 業務執行役員 統括本部長 川原俊哉氏

日本マイクロソフト パートナービジネス営業統括本部 業務執行役員 統括本部長 川原俊哉氏も「今回、リコー様の趣旨に賛同し、協業するにいたった」と語る。

そして、川原氏は、クラウドサービスの優位点として、手元のPCなどがダメージを受けたとしても、新規に購入した端末から復旧が容易、会社に出社できない状況でも、別の場所から事業を継続できる、新たなICT環境をすばやく構築できるという3点を挙げた。

パックの申し込みは、2012年3月末までで、提供期間は最長で1年間となっている。提供にあたっては、簡単な調査は行うものの、とくに条件は設けておらず、提供機器の組み合わせなども企業ニーズに応じて柔軟に対応するという。

パックの概要