オーストラリアの控訴裁判所は11月30日、米Appleの特許を侵害していることを理由に販売が暫定的に禁止されていた韓SamsungのAndroidタブレット「Galaxy Tab 10.1」について、同仮令を破棄する決定を下した。Samsungは12月2日より、オーストラリア市場で同製品の販売が可能となる。

AppleはSamsungのタブレット製品について、自社「iPad」を模倣しているとして世界各国で提訴している。オーストラリアでは10月にAppleの主張が認められ、Galaxy Tab 10.1の販売を禁じる初期判決が下りていた。Samsungはこの初期判定を不服とし、控訴していた。今回、控訴裁判所の判事は初審の判断はあやまりだったと述べている。

同時に、Appleに対しては12月2日夕方まで販売指し止め仮令の延長を求めることができることを認めた。Appleには、Samsungが上訴に必要だった訴訟費用を支払うことも命じている。

Samsungは2月にGalaxy Tab 10.1を発表、豪州市場では9月にローンチを予定していた。だが、Appleとの訴訟が激化したことを受けてローンチを延期、そこで先の販売指し止めの初期判定が下った。

今回の判決により販売指し止め令は撤回されたが、Appleが仮令保留を求めると予想されるため、まだ先行きは見えない。また、これらはすべて暫定判決ベースであり、本判決に向けての動きも同時進行で進んでいるため、白黒が明確になるのは先となりそうだ。

なお、AppleはドイツではGalaxy Tabの販売指し止め令を勝ち取っている。