QEMU最新版登場 - Xenをフルサポート、プロダクションユース想定

QEMUの最新版となる「QEMU 0.15.0」が公開された。QEMUはオープンソースのマシンエミュレータおよび仮想化ソフトウェア。x86/x86_64に限らずARM、LM32、M68K、MIPS/MIPS64、PowerPC、SH4、SPARC/SPARC64などさまざまなアーキテクチャをエミュレートする。ダイナミックトランスレーションを有効にした場合にはパフォーマンスも期待できる。仮想化ソフトウェアとして動作させた場合にはほぼネイティブに近いパフォーマンスを発揮。XenハイパーバイザおよびKVMをサポートしている。

「QEMU 0.15.0」は0.15ブランチの初のリリースとなるほか、プロダクションユースを想定したバージョンと位置づけられている。0.14と比べるとサポートするターゲットの追加や新機能の追加、バグの修正、パフォーマンスの向上など多くの変更が実施されている。もっとも注目されるのはx86においてXenのサポートが追加された点。

XenをサポートするためのパッチがQEMUにマージされたことは、2011年5月の段階でXenのコミュニティから報告されていた。今回のQEMUのリリースでXenはさらに活躍の場を広げたことになる。Linux 3.0がXenを利用するために必要になるコードをすべて取り込むなど、このところXenはサポート範囲が急速に拡大している。