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Firefoxのメモリ使用を改善する取り組みを進めているNicholas Nethercote氏が「Firefox 7 is lean and fast」において、Firefox 7はFirefox 6と比較して平均で20%から30%、ケースによっては50%ほどメモリの使用量が減ると報告している。長く稼働させ続けても消費するメモリ量は増えず、さらに開放するメモリの量は従来よりも増えていると説明がある。結果として処理速度も向上するという。

Firefoxはメモリをバカ食いすると揶揄されることがある。特にFirefox 2ではその傾向が強かった。これを受けてMozillaはメモリ使用の改善を実施。Firefox 3のメモリ利用はそれなりにいいレベルに到達している。しかし、さまざまな新機能や高速化を施したFirefox 4では逆にメモリ利用効率が悪くなっているという。

Mozillaはこうした事態を受け、Firefox 4以降のメモリ利用効率の改善を目指すプロジェクト「MemShrink」に着手。定量的にメモリの使用量の削減を評価することは難しいが、いくつかのベンチマークからFirefox7では、Firefox 6と比較して20%から30%ほどの削減に成功したと説明がある。

よく使われるサイト90個を開いたり閉じたりを繰り返した場合の平均メモリ使用量 - Firefox 7 is lean and fastより抜粋

よく使われるサイト90個を開いたり閉じたりを繰り返した場合の最大メモリ使用量 - Firefox 7 is lean and fastより抜粋

よく使われるサイト90個を開いたり閉じたりした場合のメモリ消費量の違いを見ると、たしかにFirefox 7はFirefox 6と比較してメモリ使用量が減っていることがわかる。数値にしてだいたい20%から30%ほどの減少が確認できる。

上記テストのrun1におけるFirefox 6のメモリ使用量の変化 - Firefox 7 is lean and fastより抜粋

上記テストのrun1におけるFirefox 7のメモリ使用量の変化 - Firefox 7 is lean and fastより抜粋

先日、150タブというメニータブ状態ではChromeよりもFirefoxの方が優れた性能を発揮するというベンチマークが公開されたが、同様の試験をFirefox 6とFirefox 7に対して適用しても、その効果を確認できるという。たしかに、Firefox 7の方がメモリの使用量が少なく、ピーク時で8.7%の削減、最終段階では52.0%という大幅なメモリ削減が実現されている。

150タブベンチマークをFirefox 6とFirefox 7に対して実施した場合の結果

来週中にはFirefox 6が公開される見通し。6週間おきのメジャーアップグレードという現在のリリースエンジニアリングを考慮すると、Firefox 7がユーザの手元に届くのは2011年9月末あたりということになるだろう。秋口にはいつのまにかメモリ消費量が少なくなったFirefoxを使っているということになる。

MemShrinkの取り組みは継続しており、Firefox 8はすでにFirefox 7を超えるメモリ使用量の削減を実現している。別途新しい発見もあり、2011年11月に登場することになるFirefox 8はさらにメモリを食わないスリム体質になりそうだ。