IDC Japanは6月20日、国内ハイパーフォーマンスコンピューティング(HPC)市場における2010年の分析と2011年~2015年の予測を発表した。これによると、2010年の同市場規模は211億円と、2009年の410億円からの大幅なマイナス(48.5%減)となった。2009年は「地球シミュレーター」の超大型案件があり、大きく反動が出た格好だ。

同社はHPCシステムを価格帯によって分けており、5,000万円以上のシステムは「テクニカルスーパーコンピューター」、2,500万円~5,000万円未満は「テクニカルディビジョナルコンピューター」、1,000万円~2,500万円未満は「テクニカルデパートメンタルコンピューター」、1,000万円未満は「テクニカルワークグループコンピューター」と分類される。

東日本大震災の影響でHPCの需要は減少し、2011年の同市場規模は前年比3.7%減の204億円になると予測されている。2015年の国内HPC市場規模は227億円になり、2010年~2015年の年平均成長率はプラス1.4%と、同社では予測している。製品分野別では、価格対性能比に優れたx86サーバを用いたクラスターシステムがさらに増加することが見込まれている。

国内HPC 市場 HPC サーバーシステム別出荷額実績(2006年~2010年) 資料:IDC Japan