日本マイクロソフトは2月10日、「Windows Server 2008 R2 Service Pack 1 日本語版」を2月17日に提供開始することを発表した。GPUリソースの仮想化機能やメモリ使用の効率化機能など、仮想デスクトップソリューション向けを中心に機能強化が行われており、クライアント側の対応をとるために「Windows 7 Service Pack 1 日本語版」も同時にリリースされる。

Windows Server 2008 R2 SP 1において代表的な新機能として挙げられているのが、「RemoteFX」と「Dynamic Memory」の2つである。

このうちRemoteFXは、サーバーに搭載されたGPU(Graphics Processing Unit)を仮想化し、複数の仮想マシンに割り当てることができる機能。これを利用することで、仮想デスクトップ環境でも、Windows 7のAeroグラス表示や、DirectX、Silverlight、Adobe Flashなどの高度なグラフィックを用いたアプリケーションをストレスなく実行することができるという。また、クライアント側のUSBポートに接続されたプリンタ、スマートカードなどのUSBデバイスをRDP(Remote Desktop Protocol)セッションの接続先の仮想マシンにリダイレクト使用することも可能になっている。

一方、Dynamic Memoryは、仮想マシンのメモリ要求に合わせてメモリを動的に割り当てる機能。仮想マシンのメモリが十分にある場合は回収し、不足している別の仮想マシンに割り当てるといった処理を自動的に実行する。こちらも、1台のサーバーで多くの仮想マシンを実行する仮想デスクトップソリューションにおいて特に有効だという。

マイクロソフトはこれに併せて、Windows Server 2008 R2を活用した仮想デスクトップソリューションにおいて中心的なクライアントの役割を果たすWindows 7のSP 1をリリース。こちらは、サーバー側の新機能への対応を除くと機能追加はなく、上記を必要としない環境では、Windows Updateを通じて提供されたHotfixおよびセキュリティ更新プログラムをまとめて適用できるパッケージとして利用されることになる。

なお、両ソフトウェアの提供開始時期は提供形態によって異なる。ボリュームライセンス/MSDNサブスクリプション/TechNetサブスクリプションでのダウンロード提供は2月17日、Windows Updateおよびダウンロードセンターでのダウンロード提供は2月23日にスタート予定。DVDに関しては、先行オーダー受付が2月23日に開始し、3月14日より随時発送される。なお、DVDの提供はWindows 7 SP 1のみで、価格は1050円。