Firefox web browser - Faster, more secure & customizable

Firefox 4は3つのJavaScriptエンジンの組み合わせで動作することになる。種類の違うJavaScriptエンジンが3基搭載されるような形だ。基盤となるJavaScriptインタプリタエンジンとしてSpiderMonkey、処理を加速させるためのJITエンジンとしてTraceMonkeyとJaegerMonkeyだ。TraceMonkeyはトレースタイプのJITエンジン、JaegerMonkeyはメソッドタイプのJavaScript JITエンジンとなる。

JITエンジンであるTraceMonkeyとJaegerMonkeyは現在活発に開発が進められており、日々高速化を実現している。特にJaegerMonkeyの高速化がめまぐるしい成果をあげており、TraceMonkeyとJaegerMonkeyの組み合わせでこれまでのFirefoxの処理と比較して優れた高速化を実現している。

今回Mozilla Labsから、SpiderMonkeyの開発促進や高速化に寄与する可能性をもった取り組みZaphodが発表された。FirefoxにはNarcissusと呼ばれるJavaScriptで開発されたJavaScriptエンジンがある。ZaphodはNarcissusをJavaScriptエンジンとして利用できるようにするためのアドオン。特定の条件でSpiderMonkeyではなくNarcissusがJavaScriptエンジンとして使われるようになる。

NarcissusはJavaScriptエンジンで開発されていることもあり、新しいアイディアの実装などが取り組みやすい。SpiderMonkeyに対して新しいアイディアを実装して効果を調べるよりも、Narcissusに対して実装する方が作業しやすいというわけだ。Zaphodを導入してNarcissusを利用しやすくすることで、開発者が新しいアイディアをすぐに試せるようにする狙いがある。こうした取り組みを通じて得られた優れたアイディアやノウハウを、SpiderMonkeyの改善にフィードバックしていくことになるとみられる。