Wineチームは16日(米国時間)、Wineの最新版となるWine 1.2を公開した。WineはMicrosoft Windows互換レイヤ。Windows以外のプラットフォームでWindowsアプリケーションを実行できるようにする。フル仮想化のようにOSレベルでエミュレーションするのではなく、Windowsアプリケーションが動作するのに必要になる機能を個別に実装して実行環境を提供しているという特徴がある。
Wine 1.2は2年間におよぶ開発の集大成であり、23,000をこえる変更と3,000をこえるバグ修正が実施されているという。さまざまな変更が実施されているが、特に注目されるのは64ビットアプリケーションサポートの実現と、Tangoをベースに構築した新しいグラフィックス機能。
x86-64プロセッサで動作しているLinuxであれば、64ビットのWindowsアプリケーションを実行できる。すべてのWindowsアプリケーションがWineで動作するわけではないが、Wineの開発は活発で動作するアプリケーションも多い。WineはLinuxやFreeBSDでWindowsアプリケーションを実行する必要があるときなどに重宝する。