富士ゼロックスは7月12日、文書管理機能をベースとした医療機関向けのシステム「診療記録統合管理ソリューション」について、2010年1月に導入した大阪大学医学部附属病院のシステムが本格運用に入ったと発表した。

同ソリューションは、他の病院から受け取った紙文書やPDF、Word、Excel、FileMakerなどのデータを、スキャナーや仮想プリンタを使用してPDFや同社のDocuWorksフォーマットに統一して保存するというもの。システムのライフサイクルや独自フォーマットに依存しないため、文書を長期間閲覧できるようになるという。

また、同ソリューションは厚生労働省の医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第4.1版)」の要件を満たす保存形式に対応。診療記録ごとに電子署名やタイムスタンプを付与し、「原本」として保存することが可能となっている。

同ソリューションは、既存のインフラやワークフローを生かせるように、基幹システムを含めた院内で稼働する他のシステムとの連携が容易であることも特長の1つとされている。これによって初期投資を抑えながら、記録の集中管理を実現できる仕組みを構築できるという。

なお、同社によると大阪大学医学部附属病院では現在、約40システムが同ソリューションと連携し、2000種類以上のドキュメントが統合管理されているという。

同ソリューションの今後5年間における導入目標は200病院とされている。

「診療記録統合管理ソリューション」のシステムイメージ