Boomerang always comes back, except when it hits something.

YSlowなどを筆頭にWebアプリケーションやWebサイト開発に欠かせないツールがある。ページの読み込み時間や読み込み順序、その関係などを計測するパフォーマンス計測ツールだ。Firebugや主要ブラウザがそれぞれ提供している開発ツール自身がこうした機能の取り込みを進めており、開発に利用できる状況が整っている。

しかし、これはあくまでも開発している環境や実験室における計測結果であって、ユーザが実際に体験している結果ではない。ユーザが置かれている状況はさまざまだ。利用しているH/Wが違うのはもちろん、ネットワーク状況もOSもブラウザも違う。こうしたすべての要因を模倣するのは不可能といえる。

Performance testing with Boomerang (Yahoo! Developer Network Blog)において、パフォーマンス計測ツールと実際のユーザが体験する内容とのギャップを埋めるための取り組みBoomerangが発表された。いくつかのJavaScriptの集まりで、実際にユーザが体験した情報を収集するために利用するもの。Boomerangの特徴は次のとおり。

  • ページに挿入しておくことでロード時間などのパフォーマンス関連情報を計測する
  • ページのロード時間など各種情報を計測し、サーバへデータを転送する
  • BSDライセンスのもとでの提供
  • 開発段階にあるがすでにドキュメントも提供

プロダクト名にBoomerang (ブーメラン)という名前を採用した背景には、ブーメランのように情報が戻ってくるという意味が込められているとみられる。