NECは6月22日、サーバやワークステーションなどの複数のコンピュータで、Ethernet上のハードディスクやネットワークカードといったデバイスを同時に共有する技術を開発したと発表した。

同技術はPCI ExpressとEthernetを統合したシステムハードウェア仮想化技術「ExpEther」に新機能を追加したもの。ExpEtherはIT機器内部に閉じていたシステムバス接続をEthernet上の共通のパケット通信基盤で統合可能にする技術で、2006年に発表された。

ExpEther

同技術を導入すると、クラウドデータセンターなどの運用時にサーバとデバイスの組み合わせを任意に変更できるため、サーバのスケールアップによるデータセンターの拡張やサーバ障害時の再構成が容易に行える。

また、個々のサーバにデバイスを搭載する場合と比べ、仮想化したデバイスを必要な時に必要なだけ利用できるため、導入コストを50%程度、消費電力を30%程度削減できる。

同技術の特徴は、ExpEtherに複数のコンピュータからデバイスを認識・制御するためのアクセスを受け付ける機能とコンピュータとデバイス間のデータを高速転送する機能を開発した点。このExpEtherブリッジを単一コンピュータ用の仮想化規格(SR-IOV)対応のデバイスに接続することで、Ethernet経由で複数のコンピュータで複数のデバイスの共有を実現する。

同社は、2011年中に同技術を適用したアプライアンス製品を発売する予定。