富士通は3月17日、集中冷却方式を採用したクラウドコンピューティング環境向け高密度サーバプラットフォーム「PRIMERGY CX1000」(以下、CX1000)の販売を開始した。
同製品は1ラックに38台のサーバが搭載されたプラットフォームで、最大の特徴はラックによる集中冷却方式を採用していること。搭載される各サーバからは一切の冷却ファンを排除しているため、消費電力の大幅な節減効果が期待できるという。
また、サーバ抜き差しのためのサイドレール(テレスコピックレール)をなくしたことなどによって本体の軽量化も図られている。
ラック上部には2つの排気用ファンが取り付けられており、前面から吸入された空気がラック上部から排出される仕組みとなっている。そのため、データセンターにおける通常の「ホットアイル」が不要となり、同製品どうしの"Back-to-back"による背面を向き合わせた設置が可能だ。これによって設置スペースを節約できる。
またCX1000では、サーバの熱気のムラをなくして冷却効率を上げるため、ラック背面に設置されたパネルの"穴"に工夫が施されている(排気口に近い上部の"穴"の数は少なくなっており、下部に向かうにしたがって"穴"の数が増えている)。
CX1000は、2009年4月に100%出資子会社化した富士通テクノロジー・ソリューションズ(旧:富士通シーメンス・コンピューターズ)との共同開発による製品。各サーバに搭載されるCPUはインテル Xeon E5505×2で、搭載メモリは2GB×8。各種インタフェースが前面に配置されているため、前方から各種作業を行える。
CX1000の販売価格は1480万~(税別)で、2010年度の目標販売台数は100ラック(3,800ノード)となっている。同製品は今後、同社が10月から商用サービスを開始する予定となっているクラウドサービスのプラットフォームとして採用される予定。