富士通は2月22日、サーバやストレージ、ネットワークなどのインフラを顧客の用途に応じ、必要な時に必要な規模で仮想的に提供する「オンデマンド仮想システムサービス」を、5月10日よりトライアル提供することを発表した。

同社は今年4月にクラウドサービスの提供開始を発表しており、2009年7月から社内39プロジェクトに及ぶ検証を行ってきた。同サービスは今回のトライアル提供を経て、2010年10月より商用提供が開始される。

同サービスは、同社のデータセンターで保有するサーバやストレージ群を仮想化、標準化・自動化することで、処理能力やデータ格納量など、顧客の用途に応じたインフラをネットワーク経由で仮想的に提供する。サーバ機能に加え、ネットワーク機能やセキュリティ機能などをパッケージ化して提供するため、信頼性の高いクラウド環境が利用できる。

同サービスでは、サーバ構成/スペック/台数/OSなどをWeb上で選択するだけで簡単に仮想システムを構築できる。決定ボタンを押してから必要なサーバ環境が利用できるまで、数分しかかからない。仮想サーバ/ディスクの追加/削減、バックアップ/リストア、ファイアウォールの設定などもWeb上で行える。また、Webサーバ/アプリケーションサーバ/データベースサーバの3階層まで構成を組むことができる。

仮想サーバは性能ごとに、エコノミー/スタンダード/アドバンス/ハイパフォーマンスの4タイプが提供される。1時間単位で利用可能で、エコノミータイプの価格は1時間当たり31円。仮想サーバごとにシャットダウンが可能で、利用していない仮想サーバの料金は発生しない。

一方、ディスクとネットワークは従量で課金され、OS/ミドルウェア/セキュリティ機能などを月額料金で利用できる。

富士通のクラウドサービスのポータル画面