Java Programming Language

現在のJava主要バージョンはJava SE 6だ。次期メジャーバージョンはJava SE 7になる。Java 7で実現を目指す機能についてはこれまで何度も要約ブログが公開され、リリースの時期も2010年後半になるだろうという見通しが立っている。しかしリリース時期はもっとずれ込む可能性がある。それに、従来のJava 7よりももっと重要なリリースになる可能性がある。OracleがSun Microsystemsを買収したことでJavaはOracleのポートフォリオになった。Oracleは自社のポートフォリオをJavaに組み込むとみられる。

これまで発表されてきた内容のまとめに近いが、この辺りの事情がOracle Technology Network Liveにおいて動画で発表された。ライブインタビューの様子を配信しているもので、途中でソーシャルネットワーク経由でのインタビューに答えるシーンも収録されている。メインの発表者はMark Reinhold氏。現在の肩書きはOracle、Principal Engineer、Java SE and OpenJDKだ。

Oracle Technology Network Live - live streaming video powered by Livestreamより抜粋

Oracle Technology Network Live - live streaming video powered by Livestreamより抜粋

ライブインタビューではJRockitマージ、モジュール化の実現、Filesystem APIの導入、クロージャ対応、JavaOne開催、JCPへの取り組みなど、現在もっとも気になる部分の話題が一通り語られている。同ライブインタビューの内容はMark Reinhold Talks About JDK 7, Closures, JRockit, and HotSpot - Javalobbyにおいて記事としても紹介されている。いくつか興味深い話題を取り出すと次のとおり。

  • Javaを一枚岩からレゴブロックのように複数のパーツに分けて構築できるようにモジュール化する。これは小型デバイスやモバイルデバイスのようなデバイスにJavaの搭載を容易にする狙いがある
  • ファイルシステムAPIが導入される。すでにその目的に近いAPIは導入されているが、そうした軽いものではなく本物のファイルシステムAPIの導入になる
  • クロージャを導入する。マルチコアの性能を発揮するためにクロージャの仕組みが利用できるため、今まさに導入に適した時期だといえる
  • JRockitとHotspotのマージについては現在調査段階にある。簡単に実現できるような内容ではないが、作業が進んでいる

  • Java SE 7は高速化する、Oracle JRockit技術マージ

  • Java 7、やっぱりクロージャは取り込む

クロージャの導入はJava 7での実現を目指しており、Java 8まで持ち越しにすることは避けたいようだ。BEA SystemsのJRockitとSunのJava Hotspotはこれまでは高速化技術として競合する関係にあった。買収によってこれら技術のマージが検討されることになったのは興味深いことだが、そう簡単に実現できることだとは考えにくい。しかし目玉の機能になると予想されるだけに、Java 7への導入実現を目指すなら、2010年中のリリースは難しくなる可能性もある。