生産性を向上させるツールとして正常進化したProject 2010とVisio 2010
総合ビジネスプラットフォーム。今回の「Microsoft Project 2010」と「Microsoft Visio 2010」によって実現されたのは、そのひと言に集約されるだろう。発表会の冒頭で、マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部部長である吉村徹也氏は「エンドユーザーに向けた製品」と位置付け、最高の操作性と生産性を実現したツールへと進化したことを告げた。
企業が抱えるコスト負担の軽減はもちろん、携帯端末やPCに依存しない多彩なコミュニケーション手法の導入、企業内に眠るビジネス資産を誰もが有効に活用する術、日々蓄積されていくコンテンツのマネジメント機能の拡充、コラボレーションを促進させる人と人をつなぐソリューションの提供、必要な情報を的確に検索できるエンジンの実装など。
これら「Microsoft Project 2010」と「Microsoft Visio 2010」で実現された機能に加えて、先に発表された「Microsoft SharePoint 2010」との多層的な組み合わせによって、多種多様なデータの管理、可視化、ワークフロー作成の簡便化が図られ、余計な手間を省き生産の向上に役立つ製品群へと進化した。また、「人・物・金」全体を鑑みた企業が有する資産の効果的な運用をサポートするという。
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デバイスの壁を越えて最高の操作性と生産性を提供する総合ビジネスプラットフォームの一翼を担うのが今回発表された「Microsoft Project 2010」と「Microsoft Visio 2010」 |
より拡張性を増した「Project 2010」
「Project 2010」は、制作スケジュールや進捗管理を図表化したガントチャート、リソースの配分、業務内容の可視化を簡単に行えるプロジェクト管理ソフトだ。まず、「Project 2010」の外観上の変更だが、「Office 2007」より採用されたリボンUIの採用によって、統一されたインタフェースとなった。また、作業効率と利便性の向上のためにExcelライクな操作感を実現。シンプルで直感的な操作が可能となったのは評価に値するトピックと言えよう。
加えて、より柔軟性を持たせ拡張性に富んだ製品たらしめているのが、コラボレーション機能とレポーティング機能。開発陣も最重要課題と位置付けて力点を置き大幅な強化が施されている。レポートとダッシュボードの容易な作成、Webベースでのプロジェクト管理データの編集、2010年前半での市場投入が予定されている「SharePoint Server 2010」との連携機能が充実した。
また、シンプルかつ一元化されたワークフローによってガバナンス・ライフサイクルの構築を容易にしているほか、承認・決済等のステップで必要になる各種情報を簡単に導き出せる強力なポートフォリオ管理機能によって、「無理・無茶・無駄」を廃してそのプロジェクトにもっとも効率的な予算計画・人員計画を管理することが可能となる。
情報の"見える化"を加速させる「Visio 2010」
「Visio 2010」は、業務フローからレイアウト図まで、どんなに複雑な情報、システム、プロセスも図式化することが可能なビジネス用グラフィックソリューションだ。「Project 2010」と同様にリボンUIを採用し、統一されたユーザーインタフェースとなった。「Visio 2010」ではユーザーからの声を汲み取り、更なる操作性の向上が図られている。フローチャートの作図ではしばしば「PowerPoint」を用いるケースもあるが、圧倒的に簡易に、そしてスピーディーに作図することが可能だ。
実際にデモンストレーションが行われ、"情報の見える化"に特化したソフトウェアならではの性能を如何無く発揮していた。また、「Visio」上で「SharePointワークフロー」を作成したいというニーズにも応えており、ワークフローの進捗を視覚化し確認を容易にしたプロセスマネジメント機能をも有している。加えて、「Visio」で作図した図面を有効活用できるように「SharePoint」上で表示・共有でき、可視化した情報を効率よく活用できるように工夫が凝らされている。
従来製品に比べ格段の進歩を遂げたのが「Visio Service」だ。「SharePoint Server 2010」との連携によって「Visio」図面に外部データを簡単に紐付けることができ、Webブラウザ上で最新の図面及び紐付けられたデータの共有が行えるようになった。例えば、一度作成した図面に紐付けていたデータが改変されたから編集し直さなきゃ、といった状況でも、動的にDBの情報を読み込んでつねに最新のデータに書き換わっていると言う具合だ。デモンストレーションでは、サーバ構成図を用いて稼働状況に紐付いたデータを書き換えることによりアイコンの色を変更させてみせた。
横断的なプロジェクト管理の実現と、それを支える基盤として
「SharePoint」も「Project」も「Visio」も、各々が独立した製品群であるが、その真価を発揮するのはこの3製品が多層的・複合的に組み合わされて運用された時だろう。企業規模の大小を問わず、今のご時世は余計なコスト、贅肉のそぎ落としに躍起になっている。それらに対して、業務効率の改善と生産性の向上をサポートする総合ビジネスプラットフォームとして期待できる製品へと正常進化したと言っていいだろう。







