富士通は、企業内のサーバ管理業務を軽減するため、米BMCソフトウェアのマルチベンダー・マルチプラットフォーム対応のサーバ運用自動化ソフトウェア「BMC BladeLogic Operations Manager」の販売を10月27日より開始すると発表した。

「BMC BladeLogic Operations Manager」では、サーバに導入済みのソフトウェアやパッチ情報を収集し、ルールに従ってパッチ適用を自動化するほか、富士通がすでに提供済みのサーバの仮想・物理環境を見える化する管理ソフトウェア「ServerView Resource Coordinator VE」と連携し、サーバの自動復旧のほか、OS/ミドルウェア/アプリの自動インストールを実現する。

パッチの自動適用

サーバ自動復旧では、新たなパッチ適用による不具合が発生した場合などに、「BMC BladeLogic Operations Manager」が「ServerView Resource Coordinator VE」に復旧指示を与え、バックアップからリストアによりシステムの自動復旧を行う。

サーバの自動復旧

自動インストールでは、「BMC BladeLogic Operations Manager」がインストールするソフトウェアやその手順、設定情報が書かれたパッケージをもとにシステムイメージを作成し、そのイメージを利用して、「ServerView Resource Coordinator VE」が各サーバにインストールする。

サーバの自動インストール

富士通 プラットフォームソフトウェア事業本部長 堀洋一氏

富士通の自社開発でなく、BMC社のソフトを利用した理由を富士通 プラットフォームソフトウェア事業本部長 堀洋一氏は、マルチベンダー、マルチプラットフォームであることを挙げた。

「BMC BladeLogic Operations Manager」は、Windows Server 2008/2003、Red Hat Enterprise Linux 5/4、SUSE Linux Enterprise Server 10、Solaris 10、VMware Infrastructure 3、HP-UX、AIXなどのマルチプラットフォームに対応するほか、PRIMERGYやSPARCなど富士通製サーバ以外にも、ほとんどベンダーのPCサーバのほか、AIX/HP-UXサーバに対応する。

今後は、「BMC BladeLogic Operations Manager」をメインの部分はBMCが開発し、「ServerView Resource Coordinator VE」との連携部分を富士通が付加するする形でユーザーに提供していく予定で、今後、両社は密に連携を取りながら開発を行っていくという。

富士通 執行役員常務 システムプロダクトビジネスグループ長 山本正巳氏

富士通では、2008年に1.3%であったIT市場におけるクラウド比率が、2015年には20.1%、約2兆5000億円市場に拡大すると試算しているが、執行役員常務 システムプロダクトビジネスグループ長 山本正巳氏は「注目しなければならないのは、2015年でもIT市場全体の8割をオンプレミスが占めることだ。我々はこの予測をもとに、あらゆる対策をとっていきたい」と述べ、今後パブリッククラウドの利用が拡大するものの、当面は多数を占めるオンプレミス市場に注力していく考えを示した。

IT市場におけるクラウド比率(富士通試算)

同社では、神戸、名古屋、静岡、沼津、新横浜、川崎の各拠点の開発者数千人に対し、「BMC BladeLogic Operations Manager」と「ServerView Resource Coordinator VE」を使ってミドルウェアの開発環境を構築する社内実践事例を沼津開発センターに構築、サーバ構築時間を従来の6時間から10分に短縮することに成功したという。

ただ、同社のデータセンターで開発環境を提供するPaaSについては、今のところ計画はないという。