エンバカデロ・テクノロジーズは10月20日、記者説明会を開催し、モデリング・設計ツールの最新版「ER/Studio Enterprise 8.5」英語版のリリースを開始したことを発表した。米国では10月7日より販売が開始されている。
今回、プロセスモデリング、データモデリング、アプリケーションモデリング、レポート機能が統合され、同製品は完全な設計/モデリングのための機能が揃った。同製品は以下のツールから構成される。
- ER/Studio Data Architect(データモデリングツール)
- ER/Studio Business Architect(ビジネスモデリングモデリングツール)
- ER/Studio Software Architect(UMLモデリングツール)
- ER/Studio Portal(ブラウザベースのモデリング共有システム)
- ER/Studio Repository(サーバベースのモデル管理システム)
上記のうち、最新版にはER/Studio Software Architectが新たに追加された。シニアプロダクトマネージャを務めるグレッグ・ナポーニ氏は、「UML 2.0によるモデリングをサポートするER/Studio Software Architectは、開発者のニーズにこたえる形で提供を開始した製品」と説明した。
さらに、ER/Studioのモデルを表示・ナビゲート・印刷できる「ER/Studio Viewer」、メタデータとの統合をサポートする「ER/Studio MetaWizard」、ER/Studio向けのデータモデル・テンプレート「ER/Studio Universal Data Models」、データベーススキーマの自動エラーを検出・収集する「ER/Studio Schema Examiner」というオプションも用意されている。
同氏は同製品の特徴について、「ビジネスルールやアセットを一度定義するだけで共有することを可能にする。これにより、データの再利用が実現される。また、アセットを可視化することで、手戻りやムダが排除される。企業では各プロジェクトが個別に進められているという問題が起きているが、ER/Studio Software Architectではデータ、データモデル、アプリケーションの統合とコラボレーションを実現するので、アプリケーションの早期展開が可能になる」とアピールした。
同製品の新機能としては、「ツール統合の強化」、「UML 2.0サポートのデザインドリブン環境の導入」、「ER/Studio Data ArchitectとER/Studio Portal間での双方向コミュニケーションのようなワークフローコミュニケーション機能の追加」、「ER/Studio Portalで関連するコンテンツをタグ付けするオブジェクトトラベリング」、「HTML、RTF、GIF、PNG、JPEG形式などによるエクスポート機能の拡張」などがある。
同製品の日本語版の提供は今年末に予定されている。日本語版では、「Data Architect」と「Repository」がフルローカライズされ、オンデマンドツールセット「Embarcadero All-Access」の一部としても提供される。
同氏は、「20年にわたるローカライズの経験を有するCodeGearを買収したことで、プロセスが改善された。これにより、英語版と同じコードベースとして各言語版をリリースできるようになった」と、CodeGear買収の効果について言及した。
同社ではDatabaseGearツールの国際化を積極的に進めており、ER/Studio、DBArtisan、DB Optimizer、Change ManagerにおいてUnicodeをサポートしているという。
価格はサポートするデータベースの数によって決まるが、フルセットで32万円からで、日本語版の価格は未定。