米SonicWALLの日本法人であるソニックウォールは10月7日、都内で記者説明会を開催し、10月1日付けでマクニカネットワークスと取り交わした正規販売代理店契約に関する説明などを行った。

米SonicWALLのPresident&CEOのMathew Medeiros氏

同社は、日本では中小企業(SMB)向けセキュリティソリューションを中心に提供しており、エンタープライズ向けビジネスは手がけてこなかった。しかし、「(日本市場で)累計6万台の製品をSMB向けに出荷することができたこともあり、この実績を元に日本のエンタープライズ市場向けに製品提供することを決定した」(米SonicWALLのPresident&CEOのMathew Medeiros氏)という。

同社の特長は「ソフトウェアを動かす専用ハードウェアも提供することによる強固なセキュリティの確保」(同)にあり、これにより、「ネットワーク上に流れるすべてのパケットを検査することが可能となり、マルウェアの侵入を防ぐことができるようになる」(同)とする。

アプライアンスによるSaaSを展開(これらは一括管理が可能であり、IT管理者の負担を軽減できるという)

ソリューションごとのアプライアンスを提供

また、同氏は、現状、帯域幅が増加しても、新たなネットワーク活用のアプリケーションの登場やSaaS化の進展、データのみならず音声、ビデオデータの増大などによりそれ以上の帯域をユーザー側からは求められるようになっているほか、増加する機器に対して、効率よく情報を扱う必要が出てきているが、どこかの部分に脆弱性が存在する危険性を指摘する。

こうした流れは従業員1,000名を超すような大企業でも同様で、「単純にアプリケーションごとに良し悪しを語るのではなく、どれをどの程度受け入れていくのかのポリシーや権限の決定が必要。例えばSkypeはすべて禁止、ではなく、それぞれの企業の方針に基づき、誰が使用可能か、などを分けていく必要があるが、そうしたことを行ってパケットの遅延が生じては意味がない。そうした意味では、高いUTM(Unified Threat Management)性能を実現しており、エンタープライズ分野でも通用すると思っている」(同)とする。

必要となるのはアプリケーションを可視化すること

さらに、多くの企業が10GbEの採用を進めていることを指摘。「仮想化の推進や新興企業によるインフラ提供により導入コストが下がってきており、2010年以降に採用が広がっていくことが予想される。これは日本では、米国以上の早さで進展する可能性もあり、それも日本のエンタープライズ市場に参入した理由の1つ」(同)と説明する。

なお、マクニカネットワークスでは、すでにソニックウォールの全製品のテストを終えており、セキュリティ製品として有効なものと認定を出しているという。また、ソニックウォール製品をSMBに向け販売を行ってきたこれまでの代理店とマクニカネットワークスの兼ね合いについては、「今まではSMB向けのビジネスが中心。エンタープライズ分野を専門に行ってもらうマクニカネットワークスとは分野が異なるため、問題にはならない」(同)とする。

また、今後は日本地域向けの独自技術の開発などを進めていくとしており、「40GbEへの対応や、地域に対応するセキュリティアプリケーションの提供も検討している。我々は第1にマルウェアの侵入防止を、そして第2にユーザの生産性向上を狙っている。もし、マルウェアの侵入防止と生産性向上が実現できる技術であれば、ハードウェア、ソフトウェア問わずになんでも採用していくつもりだ」(同)と語り、将来、エンタープライズ市場への参入が成功だったと言えることを確信しているとした。