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Apache CouchDB is a document-oriented database that can be queried and indexed in a MapReduce fashion using JavaScript. |
28日(米国時間)、Chris Anderson: CouchDB: Relaxing Offline JavaScriptにおいて開発者であるChris Anderson氏がGoogle TechTalksでCouchDBについて発表した様子が動画で公開された。CouchDBがどういった背景のもと開発され、どういった特徴をもっているのかがまとまっている。
CouchDBはErlangで実装されたドキュメントモデルのデータベース。従来のRDBMSとは設計背景も思想も異なっており、ドキュメントをよく使うWebアプリケーションでの利用に向いている。操作はすべてHTTPを経由してRESTful APIでおこなわれ、RDBMSと違ってスキーマは存在していない。クエリはMap Reduceをベースにしており、大規模分散並列処理への高いスケーラビリティを持っているという特徴がある。データベースでもあるが、HTTPサーバとしての側面や、プラットフォームとしての側面も強い。オフライン対応にも適している。
CouchDBに追加するデータはJSONになっている。これがBツリーに整理されながらデータとして追加されていく。常に整列された状態が保持され、挿入や削除、検索が高速に実施できる仕組みになっている。従来のRDBMSのようにロックは実装されておらず、スナップショットをマージする方法を採用している。スキーマが必要ないことから、後から構造を変更することが容易で、取り出したデータもJSON形式であるため理解しやすく簡単に扱えるという特徴がある。ただし、クエリがMap Reduceに基づいているあたりは、既存のRDBMSの手法になれている場合には慣れが必要になる。
Chris Anderson: CouchDB: Relaxing Offline JavaScriptではCouchDBを「ローカルウェブプラットフォーム」だと紹介し、ローカルでサーバとして動作することでレイテンシを減らしWebアプリケーションに快適なオフライン機能を提供すると説明がある。またCouchDBのスローガンとして「Relax」という言葉をとりあげ、自分にとっては簡単にそしてリーズナブルに扱えることがリラックスであり、ユーザにとっては安定して信頼性の高いデータベースとして活用できるというリラックスだという説明がある。
また、CouchDBをJavaScriptで実装し直してすべてWebブラウザで動作するようにしたBrowserCouchの説明があったり、CouchDBの活用例として現在開発が進められているUbuntu Karmic Koalaでの利用例が紹介されている。CouchDBをサーバモードとしてのみならず、クライアントモードやP2Pモードで動作させることでプラットフォームとして興味深い動作を実現できる様子が紹介されている。