情報を得る手段としてRSSはますます重要度を増している。データを1カ所に集約し、統一のインタフェースのもとで閲覧できるというのは便利だ。Webブラウザを使ってニュースサイトを巡回していた頃と違い、今ではRSSでニュースを読んだり要約をチェックして、興味がある場合には、情報を配信しているページにアクセスするという操作をすることが増えている。
便利なRSSだが、ほかのメッセージングシステムと比べると配信のリアルタイム性に欠けるという性質がある。通常、RSSリーダは登録されているフィードを定期的にチェックして、更新されている場合にデータを取得する。典型的には1時間ごとに更新されているかどうかのチェックをおこなう。つまり、データが更新されていても、最悪で1時間は気づかない。メールやTwitter、メッセンジャーにはこういった決まりきった遅延はない。
しかし状況はかわりつつあるように見える。WordPressは7日(米国時間)、WordPress.comで運営されている750万のブログにRSS Cloudのサポートを追加したと発表した。RSS Cloudはデータが更新されたことを効率よく通知するための仕組み。RSSリーダが対応していれば、WordPress.comはブログが更新されるとその旨をRSSリーダへ通知するようになる。リアルタイムにRSSの更新が可能になる仕組みだ。
RSSの更新を通知する方法はほかにもあり、また、現状でRSS CloudをサポートしたRSSリーダはほとんどない。しかしWordPress.comはRSS Cloudをサポートした。WordPress.comはほかの通知方式もサポートしていくとしており、対応が容易におこなえるRSS Cloudは最初に取り組みやすい方式だったと説明している。今後、リアルタイムRSS配信が主流になるのか、もしそうなるのであれば、どの通知方式が主流になるのか、または複数の方式が混在する状況になるのか、興味深い状況にある。