帝国データバンクは8月10日、上場企業の子会社・関連会社等の倒産動向の調査結果を発表した。同発表によると、2009年は1~7月で33 件の倒産が発生し、集計開始の2005年以降で最多だった2007、2008年の30件を上回り、7月時点で年間最多を更新した。

同調査は、2005 年1月から2009 年7 月までの倒産企業の中から、上場企業の子会社・関連会社などを抽出し、年別推移、業種、親会社動向、態様、負債額などを分析したもの。

月別推移を見ると、国内景気の急速な悪化時期と年度末が重なった2009年3 月に9件と多発している。上場企業の系列倒産が2009年に増加した背景は、直近決算で業績が大きく落ち込んだ大手メーカーを中心に、事業の再編成や撤退を通じて収益基盤の再構築を早期に迫られたためと分析されている。

業種別では、サービス業が13件、構成比39.4%と最も多く、楽天の連結子会社でシステム企画の楽天フィナンシャルソリューション(負債54億8,000 万円)などが特別清算を申請した。製造業が8 件と続いており、親会社の業績悪化を受け、系列メーカーの倒産が相次いだ。かつて系列倒産の中心だった不動産業とゴルフ場関連は減少した。

倒産した系列企業の親会社の業種別では、業界環境の悪化を反映し、メーカーが14 件と前年比の2倍だった。プリント配線板製造の日本シイエムケイの連結子会社、ジェイティシィエムケイ(負債10 億円)や、研磨材製造のフジミインコーポレーテッドの連結子会社、ンターオプテック(同7 9,500 万円)などが特別清算を申請した。その背景として、自動車・電機・半導体関連を中心に、大手メーカーがグループ内事業のリストラに迫られた結果、系列子会社や関連会社の法的整理が相次いだことが挙げられている。

態様別では、特別清算が27件、構成比81.8%と最も多い。例年、特別清算が全体の7割前後で推移しており、親会社によるグループ事業見直し・再編に伴い、親会社本体や関係会社に事業を譲渡したうえで系列企業を清算処理するケースが大半を占めた。一方、民事再生法は4件と全体でみると約1割にとどまった。

負債額別では、10億円以上50億円未満が12件、構成比36.4%とトップとなった。2005、2006年にかけては、多額の負債を抱えた不動産会社の処理が目立ったが、2009年は過剰債務の不動産業者の倒産が発生しなかったこともあり、全体の負債額は縮小した。

最近の主な上場企業の系列倒産 資料:帝国データバンク