The KDE Communityは8月4日(現地時間)、1万以上のバグフィクスと2,000の新機能、6万3,000の変更を加えた「KDE 4.3.0(コードネーム"Caizen")」を正式公開した。前バージョンのKDE 4.2系がエンドユーザの使用感を向上させることに注力していたのに対し、4.3では「SMBユーザに安定性と完全性を届ける」(KDEチーム)ことを主眼にしている。

KDE 4.3.0を構成する主要なコンポーネントは以下の通り。

  • KWin … 3Dグラフィック効果を提供するウィンドウマネージャ
  • Plasma … 先鋭的なデスクトップシェル環境
  • Dolphin … ユーザフレンドリなファイルマネージャ
  • KRunner … 検索システム&アプリケーションランチャー
  • SystemSetting … 高速化されたシステム管理ツール

注目すべきはPlasmaで採用されている新しいデフォルトテーマ「Air」。前バージョンの「Oxygen」よりもライトなイメージで、デフォルトのアプリケーションテーマとの相性もよく、使用メモリ量も少なくてすむ。

多くのカイゼンが図られた「KDE 4.3.0」。デフォルトテーマのAirは見た目も使用感も軽い感じに仕上がっている。ファイルマネージャのDolphinにより、ファイルのサムネールを見ただけで何のファイルかが一目でわかる

また、開発者向けの環境も多くの改善が実施されており、開発者間のコミュニケーション/コラボレーションを促進する「Social Desktop」や、開発中のアプリケーションのセキュリティを強固にするラッパ「PolicyKit」などの機能がApplication Development Frameworkより提供されている。

KDE 4.3.0の対応プラットフォームは、Linuxまたはその他のUNIXプラットフォームのほか、Windows版(KDE on Windows)およびMac版(KDE on Mac)が用意されている。ダウンロードはこちらのページにあるFTPサイトなどから可能。