The CentOS Developmentチームは8月1日(世界協定時)、2週間以上、連絡が取れずにいたCentOSの作成者Lance Davis氏と、本人出席のもと、ミーティングをもったことを明らかにした。Linuxコミュニティに大きな波紋を呼んだ"失踪事件"は、Davis氏の登場でいちおう幕を下ろした形だが、今後のCentOSの開発に向けて、未だ多くの課題が残されているといえそうだ。

CentOSのWebサイトに掲げられたオープンレターによれば、ミーティングでは「多くの重要な問題が解決され、未解決の問題については、解決までのデッドラインが示された」とあり、CentOSのユーザが今後同OSを使い続けるにあたり、今回の件が「何ら影響があってはならない」としている。

7月30日付で公開されたDavis氏へのオープンレターでは、開発チームの面々が、centos.orgの管理者がDavis氏ひとりであり代理権をもつ者さえいないこと、IRCチャネルの管理もDavis氏のみが行っていること、Davis氏がひとりで開発の問題を抱え込んでしまっていることなどを問題として挙げ、解決に向けて動くべきだとしていた。今回のオープンレターでは「The CentOSプロジェクトは現在、CentOS.orgのコントロール下にあり、CentOS.infoがCentOSディストリビューションに含まれるすべての商標、マテリアル、アートワークを有する」としていることから、Davis氏との間でCentOS.orgの運営に関する何らかの合意が成立したと思われる。だが、最後には「残された問題についても、早急に完璧な合意を図り、ふたたびLance(Davis氏)とともに働けることを願う」と結ばれていることから、プロジェクトチームとファウンダー(Davis氏)が同OSの開発スタイルについて完全に合意したとは言い難いようだ。