IDC Japanは7月21日、国内セキュリティソフトウェア市場の予測を発表した。同発表によると2008年の国内セキュリティソフトウェア市場規模は1,911億円、前年比成長率は5.5%だった。2009年は厳しい経済環境ながら前年比成長率が4.4%、2010年以降は経済環境の改善と共に回復し、堅調に推移すると、同社では見ている。

分野別に見ると、アイデンティティ管理・アクセス管理ソフトウェア市場は、日本版SOX法に伴うコンプライアンス強化のために継続的に拡大してきたが、ユーザーの権限、ロールの見直しなどの導入障壁が高く、2008年は低調だった。2009年以降は内部統制の効率化の需要によって持ち直し、2008年~2013年の年間平均成長率は3.6%で、2013年には573億円と予測されている。

セキュアコンテンツ管理・脅威管理ソフトウェアは、セキュリティソフトウェア市場の5割超を占める。2008年はコンシューマー市場が好調で、企業向けアンチウイルスソフト市場は低調だった。2009年以降は継続的なライセンス更新の需要が見込まれて安定した成長が続くと、同社では分析している。2008年~2013年の年間平均成長率は2.8%で、2013年には1,247億円と予測。

セキュリティ管理および脆弱性管理ソフトウェアはこれまで、内部統制の強化を目的としたログ管理製品が需要の中心だったが、今後はシステム統合管理、ログ分析や脆弱性診断といった高度で専門的技術を要する製品やサービスが拡大するという。同社では、2008年~2013年の年間平均成長率は9.3%で、2013年には308億円になると予測している。

国内セキュリティソフトウェア市場 セグメント別売上額予測、2008年~2013年 資料 IDC Japan