企業システム構築は企画から始まる

システム構築が行われる場合、そこには必ず何らかの目的があります。例えば、売上の向上やコスト削減などです。企業にとっては、システム導入のために何千万円、何億円という投資を行うわけですから、当然、導入の結果としてそれに見合う価値が生まれることを期待するわけです。

その"システムの目的"に該当する部分を検討するのがシステム企画という活動です。一例を挙げると、「顧客がリピート訪問してくれる率が低いようなので、個々の顧客の嗜好を把握する顧客データベースを構築し、積極的な働きかけを行っていきましょう」といった具合です。さらに、どの程度の効果が期待できるのか、従ってどのくらいの金額の投資を行うか、といったことまでを検討していきます。

無事にシステム構築がスタートする企画もあれば、実施が見送られてしまう企画もあります。簡単な企画書数枚のもの、膨大な検討を行うものとレベルは様々ですが、基本的にシステム構築は企画から始まっているのです。

要件定義とは

企画で定めた方針から、さらにより具体的に、あるべき業務の姿やそのために必要なシステムの機能を定めていくのが要件定義です。

まずシステムを利用する予定のユーザにヒアリングを行い、システムに期待することを聞き出します。そしてシステムの姿を想定した上で要件定義書にまとめ、さらにユーザと協議・合意を行っていく、という作業を行います。

ここでポイントとなるのは、要件定義は橋渡し的な作業であるということです。システムや技術のことを知らない顧客側のユーザが、どんなシステムになるのかを想像できた上で「これで良い」と合意できること。そして、システム設計者が設計作業に着手できることがこの作業の目的になります。

要件定義の流れ