半導体製造装置/FPD製造装置/太陽電池製造装置大手の米Applied Materials(AMAT)は、太陽光エネルギーに関する一般市民の意識調査を米国で実施、その結果を公表した。

同調査結果では、回答者の半数(50%)は、米国政府の掲げる「2025年までに全発電量の25%を再生エネルギー化する」という目標について、ペースが遅すぎると考えているほか、回答者の5人中4人(81%)は、米国の今後5年間のエネルギーニーズを満たす上で太陽光発電の果たすべき役割は大きいと考えているという。

AMATのWebサイト上に掲載されている調査結果を紹介する動画の一部

また、回答者の2/3以上(68%)は、電力会社が太陽光発電を発電手段の1つに含めるべきだと考えていることに加え、回答者のほぼ半数(52%)が、電力会社が再生可能エネルギーの利用を増やすなら月々の電気料金支払い額が増えても良いとしている。ただし、その反面、支出増には応じられないとした回答者も41%にのぼり、太陽光技術の普及には政府のインセンティブを通じたコストダウンが重要であるとしている。

さらに、米国民が国内の太陽光発電量を実際よりも多く見積もっている傾向があることも判明。5人に1人は、国内エネルギーに占める太陽光発電の割合を20%以上と回答したという。実際は、まだ0.01%にも達しておらず、すでにハワイ、カリフォルニア、ニューヨーク各州などで、ピーク需要時のコスト競争力は化石燃料による発電と同等程度となっているものの、採用が進んでいないのが実情である。

このほか、回答者の半数以上が最も効率の良い太陽エネルギーの利用方法は家庭用の太陽光発電パネルシステムであると認識しているとの結果も出ている。これは、同社によると誤解で、より規模の大きなソーラーファームの方が効率が良いとしており、仮に米国全土の1.6%の土地に太陽光発電パネルを設置すると、国内のあらゆるエネルギーニーズに対応することが可能になるとするほか、全世界の砂漠面積の1%を太陽光発電パネルで覆えば、全世界の人々が必要とする電力を賄うのに十分な量を供給することが可能になるとしている。

なお、調査方法としては、電話調査の計画策定と分析をKetchum Global Research Networkに依頼。米国民の人口構成を反映してサンプル抽出した1,000人の成人と、ニューヨーク、カリフォルニア、コロラド、テキサス、フロリダの5州で各200人の成人を対象に、電話アンケートの形で実施された。同調査では再生エネルギーを「自然に存在し、再生される資源(日光、風、潮力、地熱など)から生成されるエネルギー」と定義。調査は2009年6月5日から8日にかけてBraun Researchが実施し、信頼水準95%での標本誤差は±3.0%となっている。