NetIQは、ITプロセスにおける運用プロセスの自動化と知識の蓄積を提供する「NetIQ Aegis(ネットアイキュー イージス)」を発表した。

同製品のプロセスは、時間が来たらパッチを実行するようなジョブコントロールと異なり、障害検知、セキュリティインシデント検知、システムの変更検知、あるいはメール受信を起点として、ワークフローを実行する。

Aegisの管理者向けコンフィグレーションコンソール。ワークフローの作成、変更、削除、バージョン管理やワークフロー開始のきっかけとなるトリガーの定義、Aegisに接続されている自社および他社製品との接続状況確認などを行う

コンフィグレーションコンソールから呼び出すワークフローエディタ。Microsoft Visioのような感覚でアクティビティという部品を組み合わせて、ビジュアルにワークフローを構成する

また、ワークフローの途中で、管理者の許可を求めるなど、インタラクティブな対応、承認やエスカレーションプロセスを組み込むことが可能だ。

ワークフロー作成用ウィザード。以前に作成したワークフローをテンプレートとして使用して同じようなフローを簡単に作成したり、組み込みのテンプレートライブラリからフローを作成したり、初めからフローを作成したりできる

ワークフローは、チケットを流しながら手動で記入やファイル添付を行う標準的なワークフローツールとは異なり、各社の管理ツールから自動的に情報を取得するほか、ツールを操作したり、結果を評価したり、適切な担当者に許可を求めたりしながらワークフローを進めることができる。

Aegisのユーザー向けオペレーションコンソール。実行中のワークフローを確認したり、各アクティビティで処理された情報を確認したり、承認を求められた場合に承認を行ったりすることが可能

稼働中のワークフローの進行具合を確認したり、終了したワークフローの情報を確認したりできる。フローでは、分岐が存在することが多いが、実際に通った処理をグリーンの線で結ぶので過去の処理や現在位置を簡単に把握できる

さらに、ツールの制御、メールの送受信、ファイルやデータベースの読み書きなどを行うアクション「アクティビティ」と、外部のスクリプトなどを組み合わせることで、運用担当者が通常行っているのと同じ操作や手順書をワークフローに組み込むことができ、多くの操作を自動化することが可能となる。また、ファイルを消す、設定を変更するなどの作業の前に許可が必要であれば、承認を求めるフローを組み込むことで、承認を得てから作業に入るといったことも可能である。

加えて、従来の自動化ツールでは、新規に導入するマシンのプロビジョニングに重きがおかれ、そのツールがコラボレーションできるツールは、同じベンダが提供するツールに限られていた。しかし同製品では、社内に導入されている多くの他社ツールとの連携しつつ運用フローを自動化することが可能であるほか、実行するワークフローをすべて記録し、監査に役立てることもできる。

同製品は、すでに出荷が開始されている。ベースサーバライセンスと管理対象オブジェクトライセンスが必要で、ベースサーバライセンスは1ライセンスあたり400万円となっている。また、管理対象オブジェクトライセンスには、サーバ/ワークステーション用があり、他のツールと連携するためのアダプタライセンスも用意されている。