シマンテックのSaaS事業部門で、SaaS型のセキュリティサービスを提供しているメッセージラボ ジャパンは、アンチスパム・アンチウィルス、コンテンツコントロール・サービスに続き、日本語による暗号化サービスを7月1日より提供すると発表した。

同社が提供するセキュリティサービスはSaaS型のため、メールの送受信については自社のメールサーバと送受信先の間に、同社のデータセンターが介在する形で行われ、このデータセンターにおいて各サービスが提供される。

サービスの概要

今回追加される暗号化サービス「Policy Based Encryption(PBE)」は、自社のメールサーバとメッセージラボのデータセンター間、およびデータセンターと送受信先間がTLSで暗号化される。自社とデータセンター間はすべてのメールが、データセンターと送受信先間は予め設定された条件(ポリシー)に合致するメールのみが、添付ファイルを含めて暗号化される。

条件はグループ単位で設定でき、各ルール・グループ・リストは送信先、ファイルサイズ、添付ファイルの有無、時間帯など、各500個まで条件を設定することが可能となっている。

条件に合致した場合のアクションは暗号化だけでなく、削除、管理者に送信など、複数のものから選択できる。

設定できるポリシーやアクション例

メールの確認は、Webポータル上でブラウザを使って行うプル型と、Outlookなどデスクトップ上のメーラーで受信して確認するプッシュ型があり、ユーザーはオプション設定画面で好きなほうを選択できる(既定はプル型)。

プル型のメール閲覧

プル型では、受信者に閲覧するためのURLが送付され、このURLにアクセスすることで復号されたメールを確認でき、プッシュ型は専用ソフトをインストールすることにより閲覧が可能になる。ただしプル型の場合、Webポータルに保存されるのは30日間となっている。

プル型のメール受信の流れ

プッシュ型のメール受信の流れ

プル型とプッシュ型の違い

メッセージラボ オーストラリア アジアパシフィック マーケティングディレクタ アンドリュー・アンタル氏

メッセージラボ オーストラリア アジアパシフィック マーケティングディレクタ アンドリュー・アンタル氏は「SaaS型のメッセージ・セキュリティは、今後加速度的に伸び、主流のテクノロジとなっていくだろう。SaaS型のメリットは、(人数に応じた月単位の料金のため)コストが可視化できることと、保護サービスの精度が高いことだ。また、必要なときにソフトをインストールすることなくサービスを追加でき、セキュリティの運用管理にかかわっていたリソースを他の事業に振り分けることができるというメリットもある」と語った。

メッセージラボ ジャパン 代表取締役 山本誠治氏

また、メッセージラボ ジャパン 代表取締役 山本誠治氏は「メッセージラボは、日本おけるSaaS型メールセキュリティのマーケットシェアで30%を越えており、すでに一定の位置を占めている。企業は、暗号化サービスを導入することにより、自社のセキュリティの高さを示すことができ、信頼性の向上をもたらす」と述べた。

メッセージラボのサービスは、すべて日本IBMなどのパートナーを通して販売が行われているが、暗号化サービスについては、日立情報システムズが「メールセキュリティon-Demand」の中で提供を予定している。価格は個別見積もりとなっている。