伊藤忠商事と伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は5月29日、通信事業者から回線を借りて事業を行うMVNO(仮想移動体通信事業者)の支援サービスであるMVNE(仮想移動体通信支援業者)を提供するインフォニックスと資本業務提携し、MVNEおよび携帯電話MVNO分野に進出すると発表した。

伊藤忠は、インフォニックスの普通株式をサイボウズから取得して筆頭株主となる。あわせて新株(優先株式)も引き受け、インフォニックスを持分法適用会社とする(出資比率は37.0%(発行済みストックオプションを含む)、出資額は約3億5,000万円)。また同時に、CTC、日本政策投資銀行、三菱UFJキャピタルも株式を取得した。

伊藤忠はグループ企業を通じ、今回の株式取得を契機にインフォニックスに対してマーケティングやシステム/物流など、多方面において支援するという。これにより、移動体通信業界が今後は垂直統合型から水平分離型へと転換していくと予想される中で、水平分離型のビジネスモデルの1つとして成長が期待される携帯電話MVNO分野において、先んじてポジションを築くことを目指すとしている。

CTCは2008年11月からMVNEとしてMVNOの支援事業を展開しており、インフォニックスがMVNO事業者をサポートする際にシステム面でバックアップを行うとともに、MVNO事業者が自社所有するシステムの構築・運用の支援により連携を図る。

またCTCは通信事業者向けシステム構築・運用において豊富な実績を持っているとし、インフォニックスが保有するMVNO事業のノウハウとの組み合わせにより、MVNO事業を展開する際のシステムの企画から運用までの包括的な支援が可能な体制を整える。さらに、共同で提案活動や営業面での協力も行っていく予定だ。

インフォニックスは3-5年後には15-20案件程度/100-200万回線の加入を見込んでおり、400-900億円の売上を計画しているという。