米IBMは4月20日(現地時間)、2009年第1四半期(1-3月期)決算を発表した。

同四半期の売上は217億ドルで前年同期比11%のダウン、純利益は23億ドルで1%のダウンとなった。ここ数四半期の傾向と同様に、ドル高を中心とした為替の影響を受けて売上が大幅ダウンしている。特に通貨の暴落が激しい欧州地域では18%の売上減少となっている。だが同社では2009年通年の業績見通しを当初の1株あたり9.20ドルの利益から変更しておらず、引き続き強気の姿勢で景気減速に臨んでいる。

為替の影響で欧州などのEMEA地域での落ち込みが目立ったが、南米アメリカやアジア太平洋地域でも全体に売上が減少しており、それぞれ前年同期比6-7%のマイナスとなっている。為替の影響を考慮しなければ、全地域での落ち込み幅は-3%で軽微となる。事業部別ではGlobal Services両部門が-10% (為替の影響を除外すると-2%)、ソフトウェア事業が-6% (同+2%)、システム&テクノロジー事業が-23% (同-18%)となる。サーバ事業においてはPCサーバの不調が目立っており、それをUNIXサーバのSystem pの好調さで補っている状態だ。

全体に売上の停滞が散見され、IBMの決算にも金融危機の影響がじわりと現出する結果となった。だが、この状況下においてもハードウェアからソフトウェア&サービスへの事業シフトが着々と進んでおり、リストラ効果と効率の良い事業へのシフトでグロスマージンが大幅に改善された結果、売上の減少ほどには利益が圧迫されない状態となっている。今年いっぱいは売上の停滞傾向は続くとみられ、業績目標の達成はこうした利益率改善で臨むことになりそうだ。