NTT-MEは、NTTのフレッツ光サービスを利用した、SaaS型の電子カルテサービス「Future Clinic 21 ワープ」を、4月20日(NTT西日本は6月以降提供予定)より販売すると発表した。

Future Clinic 21 ワープは、小規模診療所向けの電子カルテシステム。基本セットの端末は1台だが、オプションで4台まで拡張できる。このサービスでは電子カルテアプリケーションや電子カルテ保存用ディスクなどの基本的なサービス以外に、IPsecルータやペンタブレット付ディスプレイ、デスクトップ本体、診療所側でのデータ保管ストレージ、L2SWなどのハードウェアも提供される。

提供エリアは、NTT東西のフレッツ光提供エリアだが、インターネットを利用しない閉域ネットワークが前提となる。

サービスのイメージ

提供されるペンタブレット機能付きディスプレイ

特徴としては、フリーハンドで絵も描けるペン入力に対応していることや、過去の診察記録をズームイン、ズームアウトで日付のスケールを変更しながら一覧表示できる(タイムライン機能)点が挙げられる。また、日医標準レセプトソフト(ORCA)との連携機能を標準搭載しており、ORCAを利用している診療所では、入力した患者情報や電子カルテで入力した診療情報を相互に連携することができる。

診察記録をズームイン、ズームアウトで日付のスケールを変更しながら一覧表示できる

診察の時期、投薬の期間、検査結果を一覧表示し、投薬の効果も確認できるという

電子カルテ。体の部位、診療項目(図でいうと熱、鼻汁、咳などの部分)はテンプレートとして予め登録されている

データセンター側のディスク保存容量は50GBで(オプションで拡張も可能)、この容量であれば通常の診療所では運用上問題ないという。また、回線が途切れたことを想定して、診療所側にもデータが保存されるほか、データセンター側も別の地域にバックアップのデータセンターが用意されるという。

(注)NTT-MEより、その後データセンター側に持つのはバックアップデータであり、メインのデータは診療所側に保存するという訂正がありました。

対応の診療科については、歯科以外は対応可能ということで、主に内科、耳鼻科、小児科をターゲットにしていく。

NTT-ME 取締役 ネットワークソリューション事業部長 堺紀雄氏

販売ルートは、今後医療系に強い代理店と契約を結び、販売していく予定だという。

今回のサービスは、19床以下の小規模診療所がターゲットだが、この規模の平成19年度の電子カルテの普及率は10%ほどだという。ただ、医療機関が健康保険組合などに対し、保険請求を行うレセプトのオンライン化などもあり、電子カルテに対するニーズは広がっているという。NTT-ME 取締役 ネットワークソリューション事業部長 堺紀雄氏は、販売目標として2-3年で1000件という数字を挙げた。

費用は、契約料が1,050円、初期工事費が13万5450円から、月額の利用料は7万8,750円からとなっている。なお、フレッツ光サービスは別途契約が必要になる。