アクセンチュアは4月7日、「企業サバイバルと意思決定強化に向けた情報管理 / 活用の方向性」というテーマの下、記者説明会を開催した。昨今の不安定な景況において、企業が生き抜き、成功を収めるためには、BI(ビジネスインテリジェンス)の強化が必要だとアピールした。

アクセンチュア システムインテグレーション&テクノロジー本部 インフォメーションマネジメントサービス グループ統括 パートナー 後藤洋介氏

同社でシステムインテグレーション&テクノロジー本部 インフォメーションマネジメントサービス グループ統括 パートナーを務める後藤洋介氏は、「今日の世界的な景気後退の時期に、企業がビジネスにおいてパフォーマンスを生み出すには、事実に基づいて現状を分析する"BI"が必要」と説明した。

米GartnerがCIOを対象に行った調査では、米国のCIOがテクノロジ領域における優先課題のトップにBIを選んでいるのに対し、国内のCIOはBIの優先度が低く、その重要性を認めていないようだという。

同氏は、日本においてBIの重要性が理解されていない要因として、「BIがきちんと理解されてないこと」を挙げた。「日本では、BIと言うと、情報アクセスやレポーティングの機能ばかりが注目されるが、BIとして本当に重要な機能は"最適化"や"予測"といった分析だ」

適切なBIを実現するには、必要かつ信頼性のある情報にタイムリーにアクセスできる情報基盤の整備を行う必要がある。後藤氏は、「日本でも莫大なコストをかけてDWH(データウェアハウス)を構築したり、BIツールを導入したりしている企業があるが、それらを使いこなせないがために、効果が得られてないところが少なくない」と指摘する。それゆえ、日本企業はBIを敬遠してしまうというわけだ。

同氏は、十分な分析能力を備えたBIを行うための基盤を整備するには、将来を見越した上で、全社レベルで統一されたアーキテクチャを構築する必要があると語る。「ツールありきではダメ。BIによって"何をしたいのか?"、"何を分析したいのか?"といったことを明確にすれば、効果は必ず出る」

BIのための情報基盤の主要機能として挙げられたのは、「DWH」、「マスタデータ管理」、「リアル/ニアリアルタイムのインタフェース」、「ETL」の4つ。

企業内の情報を十分に活用するための基盤のアーキテクチャの構造

同氏はBIのトレンドとして、「分析基盤との連携によって、これまでは不可能だった大量データをベースとした分析が可能になってきている」点を紹介した。その具体例として、BIベンダーであるSASとDWHベンダーであるテラデータの提携が挙げられた。両社が提携したことで、分析用のプラットフォームとDWH用のプラットフォームの連携が実現されたという。

同氏は最後に、今後、企業が成功するには、情報自体を充実させていくとともに、分析基盤を整備して十分な分析を行うことで、意思決定の最適化と自動化を図っていく必要があると締めくくった。