ソフォス 代表取締役社長 堀昭一氏

法人向けにエンドポイントセキュリティソリューションを提供するソフォスは、今後3年間の事業戦略を発表し、1月に新社長に就任した堀昭一氏は、3年後に国内の売上げを現在の4倍に拡大すると同時に、現在5%であるワールドワイドでの売上げ比率を20%に拡大したい旨を明らかにした。

堀氏はソニー出身で、これまでアップルコンピュータの副社長のほか、アドビシステムズ、SASインスティテュート、ノベルなどの日本法人の社長を務めている。

米ソフォス 上級副社長のマイケル・マクギネス氏

堀氏に先立ち挨拶した米ソフォス 上級副社長のマイケル・マクギネス氏は、ソフォスのセキュティ製品の特長として、「包括的で完全なセキュリティコントロール」「シンプルで管理しやすい」「事前にパッケージ化して届ける」「きちんとしたサポート」を挙げ、特に「シンプルで管理しやすい」点と、ローカライズされた母国語での対応など「サポート」は同社製品の大きなメリットと位置づけており、買収したUtimaco社のSafeGuardにも踏襲していく考えを明らかにした。

ドイツに本社を置くUtimaco社は、暗号化や認証ソリューションを得意のするセキュリティ会社。昨年9月米ソフォスが買収を発表した(2009年度中に買収を完了させる予定)。

両社製品の統合についてマイケル・マクギネス氏は、6カ月以内にマネージメントコンソールを統合し、2年をかけて順次完全統合を行っていくことや、Utimaco社がすでに発表しているロードマップについては、予定通り製品を出荷していくことを明らかにした。そして第一弾として、中小規模事業所向けに、外部攻撃保護と内部情報漏えい防止を実現する統合製品「Sophos Endpoint Security and Data Protection」を今春に販売開始する予定だ。

続いて登壇した堀氏は、ソフォス製品の強みについて「Windows、Mac、Linux、UNIXに対応し、同一の定義ファイルが利用できる」「Itanium 64ビット対応」などを挙げ、Itanium 64ビット対応では、事実上国内唯一のベンダーとなっており、これが大規模案件の獲得につながっていることを明らかにした。

ソフォスのアドバンテージ

3年で売上げを4倍にする点について堀氏は「実現可能な目標を掲げた」と自信を見せる。根拠としては、Utimaco社との統合による大規模案件の獲得や、有力パートナーから売上アップの確約をもらった点などを挙げた。

同社では100%パートナーを通じての販売を行っており、今後、売上増に対し、パートナー支援策は必須だが、これについて堀氏は、「パートナーECO-SYSYTEMの確立」「ダイレクトタッチセールスの強化」を挙げた。

パートナーECO-SYSYTEMでは、パートナー連携の橋渡し役をソフォスが行うことや、パートナーの意見をR&Dにフィードバックすることを挙げた。一方ダイレクトタッチセールスでは、販売自体は行わないが、直接顧客に出向いて営業活動を行うなどの市場開拓を強化するという。

ただ、現在約30社あるパートナーの数を増やすことはあまり考えておらず、各パートナーの人員を増やしてもらう方向で拡張し、今後3年間で2000名体制にするという。そして、特に現在同社が手薄となっている市場としてLinux分野を挙げだ。

ソフォスの3カ年計画