米Hewlett-Packardは2月18日(現地時間)、同社会計年度で2009年第1四半期(2008年11月-2009年1月期)決算を発表した。同四半期の売上は288億ドルで前年同期比1.2%のアップ、一方でGAAPベースの純利益は18億5,400万ドルで13.1%のダウンとなった。サービス部門の売上が前年比2倍になるなど健闘しているものの、主力のPCやプリンタ事業の落ち込み分をカバーするには至らなかった。ここ最近は好業績を連発していたHPだったが、ここにきて金融危機の影響が出始めたことがわかる。

事業部別にみると、前述のようにPC製品を扱うパーソナルシステム部門(PSG)の売上が前年比-19%で88億ドル、プリンタ関連製品を扱うイメージング&プリンティング部門(IPG)が-19%で60億ドルとなり、今回の四半期決算で足を引っ張る要因になっている。PC事業は出荷数ベースで-4%となる一方で、ノートPC全体の売上が-13%、デスクトップPC全体の売上が-25%と大幅に落ち込んでおり、PCの価格下落圧力や年末商戦でのセール攻勢が業績を直撃していることがわかる。顧客別だとコンシューマ向けが売上ベースで-18%、企業向けが-19%となり、PC市場の不調はすべての分野に蔓延してるようだ。この傾向はIPGの部門でも顕著で、インク等のサプライ品の売上が-7%の減少幅にとどまっているのに対し、ハードウェアは企業向けで-34%、コンシューマ向けで-37%と大幅に下落している。プリンタハードウェアは出荷台数ベースでも-33%であり、販売不振の影響が大きい。

企業向けサーバ製品もやはり需要減の影響を受けている。部門全体では前年同期比-18%の39億ドルで、特にx86系サーバとハイエンドサーバの売上減少幅がそれぞれ-22%と-17%となるなど影響が大きい。ストレージ製品が-7%、ミッドレンジサーバが-7%でそれに続く。減少傾向にあるのはソフトウェア部門も同様で、売上が-7%の8億7800万ドルとなった。内訳は旧Mercury Interactiveの流れを汲むBusiness Technology Optimization (BTO)製品が-4%で、その他のソフトウェア製品が-14%となっている。

全体に大幅な売上減となったHPを支えているのがサービス部門だ。HPは昨年2008年5月にアウトソーシングサービス大手の米Electronic Data Systems(EDS)を買収しているが、この売上が加味される形でHPのサービス部門の売上は116%アップの87億ドルとなった。このように、今回のHPの業績を下支えしたのは昨今の連続大型買収に依る部分が大きい。ソフトウェアやサービスを強化するIBM型のビジネスモデルを模索するHPだが、これが結果的に会社全体の体力を高める効果をもたらしている。