Lenovo Groupは2月5日(香港時間)、同社会計年度で2008-2009年第3四半期(2008年10-12月期)決算を発表した。同四半期の売上は35億9200万ドルで前年同期比20.1%ダウン、純利益(損失)は前年同期の1億7200万ドルの黒字から9700万ドルの赤字に転落した。ノートPC製品の出荷台数が上昇する一方で、価格下落圧力から売上はノート/デスクトップともに20%以上減少するなど低迷している。

同社では業績悪化を受けて、1月に人員削減を含む3億ドル規模のリストラ計画を発表しているほか、同社CEOだったBIll Amelio氏に代わり、創業者を含む中国人経営陣が会長ならびにCEOに新たに就任している。

同社の主力はPC事業だが、PC市場の低迷に加え、主力のノートPC事業がネットブックなどに代表される低価格製品の人気で価格下落圧力を受け、出荷数が上昇しつつも売上が大幅に落ち込むという減少に悩まされている。金融危機の震源地となった米国と欧州地域での落ち込みが激しく、アジア地域ではインドでの需要低迷が際だっていたという。

一方で同社ビジネスの45%を占める中国内では、Lenovoの出荷台数が1%減少だったのに対し、競合他社を含む中国全体では7%下落と急落しており、結果としてLenovoのシェアが伸びるという好調さを見せている。

こうした経緯のなか、前述のようにCEOだったBill Amelio氏に代わり、Lenovoのボードチェアーだった楊元慶(Yang Yuanqing)氏がCEO職に就任し、Lenovo創業者でボードメンバーだった柳傳志(Liu Chuanzhi)氏が楊氏に代わって会長職に就任する。

同人事は2月5日付けで実施され、Amelio氏はアドバイザリーとして9月までLenovoにとどまることになる。柳氏は「Lenovoは国際市場での成長に成功したが、いま重要なのはわれわれの源泉である中国でのビジネスに注力しなければならない」と述べ、一方で楊氏は「Lenovoは中国のトップPCメーカーであり、中国や新興市場に何より強みを持っており、この成功則を世界に展開していく」とコメントしている。

IBMからのPC事業買収を受け、世界展開にあたってLenovoが選んだ道は、Dell出身のAmelio氏を引き抜いてCEOに据えることだった。グローバルメーカーとしてのLenovoを3年間の任期で市場に認知させたAmelio氏。今回の金融危機を受けてLenovoは、改めて中国側に主導権を戻す道を選んだことになる。