米New York Times紙が米国時間の1月19日に、米Ciscoが数ヶ月中に仮想化ソフトウエアを組み合わせたサーバ製品を発表する見通しを報じた。これはHewlett-PackardやIBM、Dellなど、Ciscoがネットワーク機器を提供するパートナーと競合する動きになる。これに対して同日、CiscoのCTOであるPadmasree Warrior氏が公式ブログで「Ciscoが新市場に参入し、新ビジネスにおいてパートナーと競合する新製品を投入するというレポートを読んだと思う。答え? もちろんイエス、イエス、そしてイエスだ」と報道の内容を認めた。
新市場参入についてWarrior氏は、「経済状況が不透明な時期だからこそ、われわれは現状を打破し、顧客や株主にさらなる価値をもたらすビジネスに進化させるべきと考えている」と前進の必要性を訴えた。具体的には「われわれが"ユニファイド・コンピューティング (Unified Computing)"と呼ぶ構造的なアプローチに従った革新への取り組み」と説明する。ユニファイド・コンピューティングでCiscoは、共通のアーキテクチャの上で全てのリソースがリンクする次世代データセンターを思い描いている。コンピューティング/ ストレージ、ネットワーク、仮想化などのプラットフォームを統合し、データセンター全体を仮想化した環境へと導く。今日の仮想化アーキテクチャでは顧客側でのシステム統合が必要であり、それが仮想化ソリューション導入の重荷となっている。ユニファイド・コンピューティングは顧客の負担を取り除き、コスト削減や効率性の向上を実現するという。
2つめのイエスについては「今日のわれわれのいくつかのパートナーと競争する市場が出てくる」と、はっきりと競合を認めている。Warrior氏はまず、「テクノロジー産業においてライバル同士が協力するのは珍しくない」とパートナーシップ継続の可能性を強調。さらに「テクノロジ産業のリーダーとして、われわれには顧客のITニーズを高め続ける開拓者という責務がある。未来の環境は主要な産業プレイヤーのより密接な協力を必要とする。その役割を担うことを、われわれの顧客は予期しているだろう」と垂直型へとシフトした後のつながりに言及した。
ユニファイド・コンピューティングに従った新製品に関して、Warrior氏は具体的な情報を明らかにしていない。ただしパートナーとの競合を認めていることから、New York Timesの報道の通りサーバ製品も含まれるだろう。
最後にWarrior氏は「もちろんネットワークが、この市場の変化とユニファイド・コンピューティングの中心にある」と指摘。「孤立していたコンポーネントが接続することで有用になる。価値を引き上げるために、ストレージアレイはサーバに接続する必要があり、サーバはクライアントや他のサーバとの接続が必須である」と、接続性の価値を改めて強調している。