米Googleが一部のサービスの開発終了や提供終了を発表した。米国時間の14日時点で明らかになっているのは、Jaiku、Mashup Editor、Dodgeball.com、Google Catalog Search、Google Notebook、Google Videoのアップロード機能など6つ。
経済情勢の悪化にともないGoogleは昨年後半に、開発・研究プロジェクトを一時縮小し、検索/ 広告/ Appビジネスなどのコア事業にリソースを集中させる計画を示していた。例えば昨年11月に、3Dアバターによるコミュケーションサービス「Lively」を閉鎖している。今回の発表も事業見直しの一環である。
マイクロブロギングの「Jaiku」は、Google App Engineへの移植が進められており、完了後はJaiku EngineプロジェクトとしてGoogle Codeを通じてApache Licenseで公開される。Googleでの開発は終了するが、Googleの一部社員がボランティアでサービス運用を継続するという。
現在プライベートベータ中のマッシュアップ開発ツール「Mashup Editor」は閉鎖される。6カ月以内にトラフィックの受け入れを停止する。これはApp Engineインフラストラクチャを優先した判断だという。
モバイルソーシャルネットワーキングサービスの「Dodgeball.com」も数カ月中にサービス停止となる。テキストメッセージを通じてロケーションを共有できるサービスだったが、開花の兆候が見られなかった。
紙の製品カタログをオンライン検索の対象とする「Google Catalog Search」は、2001年にスタートしたGoogleの中では歴史のあるサービスだ。Book Searchチームにおいて、スキャン技術の改良やユーザーの利用動向データ収集などに貢献したものの、「他の製品に比べるとポピュラーな存在ではなかった」と製品マネージャーのPunit Soni氏。Catalog Searchは終了し、オフライン情報については雑誌、新聞、書籍に注力する。
Webサイトのクリッピングサービス「Google Notebook」は新規ユーザーの受け付けが停止された。既存ユーザーは引き続きサービスを利用できるものの、サービスおよびWebブラウザ用アドオンなどの開発は行われない。プロジェクト停止の明確な理由は示されていないが、公式ブログでは代わりとしてSearchWiki、Docsのノート機能、Gmailのタスク機能、Google Bookmarksなどの利用を勧めており、重複の解消である可能性が高い。
「Google Video」については、数カ月中にビデオのアップロード機能が停止される。アップロード済みのビデオは、今後もGoogle Videoから閲覧できるそうだ。YouTube買収後にGoogle Videoとの重複が指摘された際、GoogleはYouTubeをビデオ共有サービスとし、Google VideoはYouTubeに限らず世界中のビデオを検索できるサービスにすると答えていた。その線引きが明確になる。