日立製作所、神戸大学、福井大学の3者は15日、より安全な次世代ハッシュ関数「Lesamnta」を共同開発したと発表した。

新技術は情報通信研究機構(NICT)からの委託研究「次世代ハッシュ関数の研究開発(2007-2008年度)」によるものであり、世界の暗号技術標準を事実上決定するとされる米商務省国立標準技術研究所(NIST)の次世代暗号コンペティション(SHA-3コンペ)において、次世代ハッシュ関数の候補として正式に認定されたとのこと。

新技術は実装の容易さや処理速度などの要件に配慮しつつ、安全性を最も重視したアルゴリズムという。日立がRFID向けに開発したハッシュ関数「MAME」の設計指針を継承するとともに、従来のブロック暗号研究で培った安全性評価などの技術を活用し、高いデータ攪拌性を持つ複数の基本関数を安全性と効率性とを考慮して最適配置することで、各種暗号解読への耐性を実現したとしている。各種製品やシステムで容易に実装できるよう、バイト単位の処理を基本としている。

これにより、新技術はNISTでの評価基準の1つでもあるハッシュ関数「SHA-2」と比べ十分に高い安全性を備えるとともに、各種プラットフォームで容易に実装できるという。