Google Searches the Future?

Googleが検索市場に参入してから10年が経過した。Googleは検索サービスの提供にとどまらず、GmailをはじめとするWebアプリケーションやWebサービスの提供、これらをマッシュアップした新しい機能の提供、サービス提供に附随して開発されたライブラリの公開などを実施してきた。これから10年、検索はどういった方向に進んでいくのだろう。もう十分な検索機能が提供されているようにも思えるが、Googleはそうは考えていない。

Google Search Products & User Experience, VP, Marissa Mayer氏がThe future of searchにおいてGoogle検索の今後10年についてまとめている。Marissa Mayer氏の言葉を借りれば検索というのは物理学のように学問の一つということになり、今後長い間をかけて研究開発されていくエキサイティングな分野ということになる。そこで同氏は今後の直近10年で取り組まれるイノベーションを次のようにまとめている。

  • アクセサビリティ - 現在の検索はアクセシビリティが低い。いつでもどこからでも検索サービスにアクセスできる必要があるし、どのデバイスからも扱える必要がある
  • モード - 検索ワードを入力するという現在の検索方法以外にも自然言語による検索、音声検索、画像検索などさまざまなモードでの検索を実現していく
  • メディア - リンクとテキストを表示するシンプルな検索結果から、動画やマップ、ニュース、書籍、位置情報などさまざまな検索結果からより求められる優れた検索結果を表示するというように、メディアという側面を強化していく
  • パーソナライズ - パーソナライズ機能を強化しより文脈を理解して求められる検索結果を返せるようにする。パーソナライズ情報についてはユーザが簡単に利用許可を設定できるようにする
  • ロケーション - パーソナライズをおこなううえでユーザの位置情報はきわめて重要な要素のひとつとなる
  • 言語 - あらゆる言語に対して検索を実施し検索結果を返すようにする

突拍子もない未来ではなく、現在Googleが提供しているサービスをさらに改善強化したり組み合わせて実現されていく堅実な予測だ。いつでも世界中のあらゆるものを瞬時に検索できるようにするというGoogleの目的に向かって着実に歩むようすが伝わってくる。

たとえば言語について目を向けるとこうなる−−Google翻訳を活用して言語の壁を越えて検索が実現できるようになる。日本語での検索が世界中の情報に対して実施され、有益なものから順次表示されるようになる。日本語以外の情報はGoogle翻訳で翻訳されたデータが表示される。これは日本語のようにインターネットで多くのコンテンツを保持している言語よりも、少数派であまりコンテンツがネットに公開されていない言語で特に有効に効いてくる。

自然言語や音声での検索はこうした目的の中でもかなり敷居が高い目標のように思える。しかしながら初期の取り組みはすでにGoogle Audio Indexingのようなものが公開されているなど、目的の実現へ向けて着実に進歩を続けている。今後も検索サービスの改善に向けて手を緩めることなく取り組んでいく。これがGoogleが10年たっても変わらない姿勢のようだ。